今年度は人材育成に係る制度を導入してもらえる助成金が拡充されています。
その一つ、新しくできたのが『セルフ・キャリアドック制度』導入で助成金
がもらえるというものです。この制度を導入すると、50万円がもらえる助成金
です。
■ キャリア形成促進助成金・制度導入コースとは ─────────────
キャリア形成促進助成金は、労働者のキャリア形成のために、職業訓練や人材
育成制度を行った企業を支援する助成金です。
キャリア形成促進助成金はさまざまな訓練コースに分類され、訓練の時間数に
応じて賃金の助成や、かかった経費を助成します。
今回さらに、事業主が新しく人材育成等の制度を導入した場合に、定額(中小
企業は50万円)の助成をするものができました。
制度導入コースといわれるもので、5種類あります。そのひとつが、『セル
フ・キャリアドック制度』です。
■ セルフ・キャリアドック制度のイメージ ────────────────
事業主の皆様は、従業員が今の仕事をコツコツまじめにやるだけではなく、
長期的な職業生活を見据えて業務に取り組んでほしいと思われることはないで
しょうか。受け身ではなくもっと主体的にやってほしいものだとお感じではな
いでしょうか。
職業生活が充実したものとなるよう、外部の専門家のアドバイスを受けてもら
らい、助言や指導を受けることが、セルフ・キャリアドック制度のイメージです。
キャリア形成上、メリットがあるはずです。
事業主が一定の要件を満たす『セルフ・キャリアドック制度』を導入し、適
用(実際にコンサルティングを行うこと)した場合に、50万円の助成金が受給
できるのです。
■ 助成金が求めるセルフ・キャリアドック制度 ──────────────
専門家のアドバイスとは、キャリアコンサルタントによるキャリアコンサル
ティングを受けることです。
定期的(労働者の年齢・就業年数・役割等の節目)に行うことを規定化する
必要があります。
キャリアコンサルタントは平成28年4月から国家資格となっています。
キャリアコンサルタントは、「本人の興味・適性の明確化や職業生活の振り
返り(どんな能力があって、何が課題なのかの確認)を通じて職業生活設計を
支援し、職業選択や能力開発の自信・意欲の向上、自己決定を促す支援を行う
者」(厚生労働省資料より)です。
■ 助成金手続きその1 ─────────────────────────
まずは「制度導入・適用計画」を作成し、労働局長に届け出ます。
「事業内職業能力開発計画」の策定、「職業能力開発推進者」の選任が必要で
す。
■ 助成金手続きその2 ─────────────────────────
就業規則に以下のように規定します。
【セルフ・キャリアドック制度】
第〇条 会社は、労働者に、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティ
ングを定期的に行う。キャリアコンサルティングを受けるために必要な経費は、
会社が全額負担する。
■ 助成金手続きその3 ─────────────────────────
セルフ・キャリアドック実施計画書(所定の申請書がある)を作成します。
計画書にはキャリアコンサルティングをどのタイミングで実施するのかを記載
します。
■ セルフ・キャリアドック制度の適用 ──────────────────
あらかじめジョブ・カードを作成してある労働者と、そのカードを活用して
キャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを実施します。
■ 支給申請書の提出 ─────────────────────────
実施した日の翌日から起算して6か月経過した日から2か月以内に支給申請書
を提出します。
支給申請後は審査を受け、数か月後に入金となります。
■ 毎年・全員は要件ではない ──────────────────────
定期的にコンサルティングを行うことは要件ですが、毎年全員に行うことは
求められていません。
気になるキャリアコンサルティングの費用ですが、1回につき5,000円から
10,000円という価格設定が最も多くなっています。(厚生労働省ホームページに
よる)
■ セルフ・キャリアドック制度導入のメリット ─────────────
「労働者の主体性を向上することができる」、「従業員の定着や、育児休業後
の復帰を円滑に行うことができる」などのメリットをパンフレットはうたって
います。
積極的に活用したい助成金のひとつです。
(この内容は厚労省の助成金のパンフレットを基にして書きました。)
作成日:2016/09/22
★ セルフ・キャリアドック制度導入で50万円! ★