お知らせ
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作成日:2015/01/02
★ 仕事を休むときの保障は? ★



「週25時間勤務のパートタイマーが、妊娠し、育児休業をとりたいといってき
ました。社会保険には加入していませんし、パートタイマーの育児休業は前例
がないのですが、育児休業を与えなければなりませんか。何か本人が利用でき
る制度はありますか。」


■ 重要ポイント ──────────────────────────
 雇用保険に加入していれば、育児休業給付金がもらえます。パートタイマー
にも育児休業は付与しなければなりません。

 育児休業で休むとき、私傷病で休むとき、業務災害で休むとき・・・様々な働
けない場面でいろいろな保障があります。


■ 育児休業で休むとき ────────────────────────
 雇用保険に加入している人が、育児休業(女性の場合は産後休業の翌日から
原則子供の誕生日の前々日まで)中で会社から給与が支払われないのであれば、
育児休業給付金がもらえます。

 休業に入る前の賃金の約67%のお金が180日間もらえ、その後は50%のお金が
もらえます。

 男性が育児休業を取る場合は、配偶者の出産日当日から育児休業の取得が可能
で、同様の育児休業給付金がもらえます。

 短時間労働者であれば、毎月数百円の雇用保険料を負担すると、数万円の給付
金が10カ月ほどもらえるというイメージです。

 今後は雇用保険だけ加入しているパートタイマーが育児休業を申し出るケース
が増えてくると思われます。1年以上雇用保険に加入していることが受給の要件
です。社会保険に加入しているのであれば、育児休業期間中は保険料が免除され
ます。(免除は本人分だけでなく事業主負担分も)


■ 産前産後で休むとき ─────────────────────────
 産前産後の期間については健康保険から出産手当金が支給されます。本人が
健康保険に加入していなければなりませんが、標準報酬日額の3分の2のお金が
産前産後の休業期間についてもらえ、その間は社会保険料の負担もありません。


■ 私傷病で休むとき ──────────────────────────
 不注意で転倒してしばらく会社に行けない、あるいは、病気になって入院し
なければならない・・・そんなときには健康保険から傷病手当金が支給されま
す。

 療養のため業務につくことができず、給与をもらえないとき、休業4日目か
ら、標準報酬日額の3分の2のお金がもらえます。支給開始日から1年6か月が限
度です。


■ 業務災害で休むとき ─────────────────────────
 仕事中の事故で怪我をしたり、病気になったりしたときは、労災保険から休業
補償給付が受けられます。

 育児休業給付金は雇用保険の加入者に限る保障ですし、出産手当金と傷病手当
金は健康保険の加入者に限る保障ですが、業務災害の休業補償は労働者であれ
ばだれでも受けることができる所得補償です。

 労働基準法は業務災害の休業補償を事業主に義務づけているからなのです。実
務的には労災保険がこの役割を果たしています。

 事故発生の時から遡って3か月の賃金をベースにして、平均賃金を出し、治癒
するまで期間の限度なく休業補償を受けることができます。休業補償は平均賃
金の6割ですが、特別支給金が2割加算されるので、働いていた時の約8割のお
金がもらえます。

 労災保険は休業4日目からの支給なので、3日間については事業主が直接補償し
なければなりません。

 休業補償は本人の過失で怪我をしても支給されるものです。また、治癒してい
ない状態が続くのであれば、会社を辞めても支給されます。

 業務上の災害とは、業務遂行性(労働者が、雇用の指揮命令の下に置かれてい
る状態であること)と業務起因性(そのけがと仕事の間に関連性があること)
の2つの要件を満たしている場合をいいます。


■ 通勤災害で休むとき ─────────────────────────
 通勤途上の災害は、事業主が補償しなければならない性質のものではありませ
ん。しかし、通勤も業務に付随する行為であるとして、昭和48年から通勤災害
にも労災保険から休業給付が行われています。(休業補償給付ではなく休業給
付といいます)

 通勤災害で休業の場合、業務災害と違って、最初の3日間について事業主に補
償の義務はありません。

 通勤災害とは、労働者が就業に関し、住居と就業の場所との間を合理的な経路
及び方法により往復する途上における事故であって、業務の性質を有しないも
のとされています。(労災保険法第7条)

 日用品の買い物のために通勤経路をはずれた程度であれば通勤ですが、合理的
な往復の経路を逸脱した場合、通勤災害とされない場合があります。


■ メンタル疾患で仕事を休むとき ───────────────────
 家庭の人間関係のトラブルでメンタル疾患となる、借金など金銭的な悩み事
からメンタル疾患を発症したなどで仕事を休むときは傷病手当金を請求します。
 最近はメンタル疾患になったのは会社が強いた過重労働や、職場のいじめの
せいだと労災申請する人が増えています。

 業務災害は業務中の事故によるケガや病気など身体的なことだけに限りませ
ん。
 長時間労働が続いてメンタル疾患になると業務が原因だと労災に認定される
可能性があります。

 部下指導の名の下に、人格を否定するような言動が執拗に続いたことが誘引
となって、メンタル疾患となった場合も労災認定される可能性が高まります。
 労災に認定された場合、治療費や薬代の本人負担はありませんし、働いてい
たときの8割の休業補償を治癒するまで受けることができます。

 業務上の災害で休んでいる期間とその後30日は解雇が禁止されています。


 労働者を保護するために手厚い給付となっている労災の休業補償ですが、精
神疾患が業務災害とされ、労災認定されることは珍しいことではありません。

 精神疾患の労災請求件数が増え続ける中、どのようなときに精神疾患が労災
認定されるのか、平成23年12月に通達で判断基準が示されています。


お問合せ
社労士法人アイビーウィル
〒950-0986
新潟県新潟市中央区神道寺南2-7-43
TEL:025-385-7771
FAX:025-385-7579