作成日:2014/09/02
★ 24時間の休業があれば休日? ★
【 勤務が明けた朝の10時から翌日の10時までの連続24時間の休みがあれば、
休日としてよいでしょうか? 】
このような質問を受けました。
深夜営業のコンビニや飲食店は少なくありません。医療機関や介護関係の施
設の多くも24時間動いています。
そこで働く人や関係する業務の人は夜出勤し、暦の日をまたいで働いていま
す。
一勤務が二暦日になる働き方の人にとって、休日はどのように考えればよいの
でしょう。
働く人にとって大事な休日ですが、夜勤で働く場合に、気をつけることは何
でしょう。
■ 重要ポイント ───────────────────────────
労働基準法の休日とは単に連続24時間の休業ではありません。
休日とは暦日を指します。
午前零時から午後12時までの休業でなければなりません。
■ 法律の定める休日───────────────────────────
労働時間について労働基準法は「1週間について40時間を超えて労働させては
ならない。1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」(第32条)
と定めています。
また、休日については「毎週少なくとも1回の休日を与えなければならな
い。」(第35条第1項)としています。
昼間の勤務で1日6時間、1週6日働いて1日休むという働きかたであれば、法
律の定める労働時間、休日を遵守していることになります。
ちなみに、6時間を超えないのであれば、休憩時間がなくても違法ではありま
せん。
「6時間を超える場合においては少なくとも45分の休憩を労働時間の途中に
与えなければならない」(第34条)ですので。
■ 連続24時間休業が休日として認められる場合 ──────────────
始業が9時で終業が18時のように一勤務が一暦日のうちに行われる場合は、
休日で誤解を招くことはありませんが、始業が20時で終業が8時のように二
暦日にまたがる場合に、連続24時間の休業があれば休日としてよいのではな
いかという疑問が出てきます。
8時間3交替連続作業のような交替制勤務の場合であって、次のいずれにも
該当する場合、例外的に休日は連続24時間を与えれば差し支えないとしてい
ます。
(1) 番方編成による交替制によることが就業規則等により定められており、
制度として運用されていること
(2) 各番方の交替が規則的に定められているものであって、勤務割表等に
よりその都度設定されるものではないこと
規則的な交替勤務でない限り、連続24時間の休業であっても暦の1日すなわ
ち、午前零時から午後12時までの24時間の休業が与えられなければ、「休
日」とは認められていません。
■ 4週4日の休日は認められている ───────────────────
二暦日にわたる勤務が頻繁にある事業所では法が定める毎週1回の暦日の休
日の確保が難しいかもしれません。
労基法第35条は第2項で、4週間を通じて4日以上の休日を与えれば(毎
週1回の休日を与えなくても)よいとしています。
4週間に4日とは、特定の4週間に4日の休日があればよく、どの4週間を
区切っても4日の休日が与えられていなければならないという趣旨ではありま
せん。
たとえば4月1日を起算日として4週間ごとに4日の休日があるように定め
れば、法律違反とはなりません。1週間に1回の休日確保が望ましいことはい
うまでもありませんが。
■ 休日は特定しなければならないか ───────────────────
法律では休日を特定することを求めていません。
けれども「休日」とは労働義務のない日であって働く人にとっては重要な日
ですから、いつ休めるか予め特定しておくべきでしょう。
休日を特定した上で、就業規則に「休日の振替を必要とする場合、休日を振
替えることができる」と、規定しておくことが重要です。休日を振替える前に
あらかじめ振替えるべき日を特定して振替えた場合は、休日労働の問題は生じ
ません。
■ 36協定と休日労働──────────────────────────
労基法に定める休日に労働をさせる場合には「時間外労働・休日労働に関す
る協定」(36協定)を結び、行政官庁の許可を受けなければなりません。
協定が必要な休日労働とは、週1回(又は4週に4回)の休日の労働です。
土日を所定休日としている会社で、日曜日に労働させることはないが、土曜
に出勤を命じることがあるという場合、休日労働の協定を結ぶ必要はありませ
ん。
また、国民の祝日に休ませなくとも法律違反となるわけではありません。
■ 休日労働の割増率 ──────────────────────────
時間外労働の割増率は2割5分以上ですが、休日労働の割増率は3割5分以
上となっています。
休日労働については、週休二日制普及の流れの中で週1日の法定休日を確保
することは重要なことだと、平成6年に3割5分に引き上げられたものです。
■ 年次有給休暇の「労働日」は暦日計算 ─────────────────
勤続要件と全労働日の8割以上の出勤したときに付与される年次有給休暇を
取得できる「労働日」も、暦日で考えます。
通常の日勤者の勤務が時間外労働によって翌日の午前1時までに及んだ場合、
その翌日の勤務を免除しても一労働日の年次有給休暇を与えたことにはなりま
せん。暦による一労働日単位の休息が与えられたことにならないからです。
20時始業で翌日8時終業の勤務の場合、全労働日について、この一勤務は
二暦日の二労働日と計算されます。年次有給休暇付与についても、この一勤務
の免除が二労働日の年次有給休暇の付与とされます。
■ 労働基準法と労働時間・休日の規制 ──────────────────
労働基準法は労働時間の枠を定め、休日の確保を求め、長時間労働によって
健康を害することがないように規制しています。
暦をまたいで深夜で働く場合に、休日を暦日で考えるようにいう規制は、深夜
労働には割増賃金を支払わなければならないという規制とあいまって、深夜帯
には体を休めるように求めているように思われます。
深夜業従事者には1年に1回ではなく、6カ月以内ごとに1回という頻度での健
康診断が求められていることも忘れてはなりません。