お知らせ
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作成日:2013/07/15
★ 一人親方は特別加入しよう!  ★






 「住宅の屋根で太陽光パネルを取り付け作業中、転倒した・・・」

 「労働者」であれば、こんなとき大きなケガをしても、治療費・薬代は労災保険で本人負担なしですし、仕事を休まなければならなくても、約8割の休業補償のお金がもらえるのですが。


■ 重要ポイント +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+


 「労働者」であれば仕事中のケガは労災保険の適用があり、手厚い保護を受けられます。

 個人の事業主や会社経営者は「労働者」ではないので、労災保険に特別加入していなければ、健康保険(又は国民健康保険)の適用も受けられず、治療費などは全額自己負担となります。


■ 労働者とは +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 近くの大学のキャンパスで、ある研究棟の工事が進められていました。

 時には早朝からさまざまな建設関係の方々が出入りし汗を流していらっしゃいます。

 ○□土木、○×建設、△工務店、□塗装など、会社の「労働者」として働いている人もいれば、自らが直接工事を請け負って、働いている人もいます。時には同じヘルメットを着用していても、自ら大工、塗装工などとして仕事を請け負って、働いている人は労働者ではありません。


■ 一人親方とは+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 労働者(従業員)を雇用していない個人の事業主のことを一人親方といいます。

 同じ現場で働いている労働者であれば、会社が違っても、同じ元請の労災保険の対象となりますが、労働者ではない個人の事業主は労災保険の対象にはなりません。


■ 個人の事業主+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 個人タクシーの運転手、個人でトラックを持って運送業をしている方など建設関係の業務以外にも、一人で業務を行っている人はいらっしゃいますが、業務の実情や災害発生状況から「労働者」のように労災保険の保護をしようと考えられた制度が、特別加入です。

 一人親方は特別加入という方法で、国が運営する労災保険に加入することができるのです。


■ 特別加入は小さな会社の経営者も+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 労災保険の特別加入は、次の4種類に区分されています。


1 中小事業主等
 中小事業主(規模300人以下の事業主等)及びその家族従事者が事務組合を通じて加入することができます。

2 一人親方等
 一人親方その他の自営業者(大工、とび、個人タクシー業者、個人貨物運送業者等)がその所属団体を通じて加入することができます。

3 特定作業従事者
 家内労働者や労働組合の常勤役員、介護作業従事者等の特定作業従事者がその
所属団体を通じて加入することができます。

4 海外派遣者
 国内の事業から派遣されて海外支店、工場、現地法人等で働く労働者等が加入することにより、海外における業務・通勤災害について保護がされます。


 建設工事現場では、1と2が中心でしょう。小さな会社経営者や家族従業員(息子など)も労災保険の特別加入ができるのです。


■ 特別加入の保険料+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 一人親方の特別加入は、自分の日当をいくらと見込むかによって変わってきます。

 最低の保険料基礎額は1日3,500円です。

 1日3,500円で365をかけると1,277,500円となりますが、この金額に事業の種類ごとに定められた労災保険率をかけて、年間の保険料が決まります。

 「既設建築物設備工事業」の労災保険率は1000分の15ですから、この事業であれば、年間の保険料は、19,692円となります。

 労災保険の種類で「その他の建設事業」であれば1000分の19の保険率ですので、24,263円になります。


■ ともかく加入しておこう!+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 日当を高く見込めば、仕事中のケガや病気で仕事を休まなければならなくなったり、万が一身体障害を負ってしまったりした場合の補償はそれなりに高なります。

 けれども、治療費や薬代が自己負担無しであるということについては同じです。

 元請がきちんと労災保険に加入していても、その対象は「労働者」だけであることを認識して、一人親方や自ら建築などの業務にかかわる小さな会社の経営者は、特別加入で労災保険に加入すべきです。


■ 建設現場での労災加入の重要性+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 建設工事現場では、工場等(製造業)に比べおよそ2倍の確率で労災事故が発生しています。しかもいったん発生すると死亡災害など重大な災害となることが少なくありません。

 冒頭の会社は、最近になって太陽光パネル設置の業務をはじめた、小規模な会社の社長さんでした。従業員は労災保険に入っていましたが、経営者が労災保険に加入できる制度があることを知らずに、加入していませんでした。

 業務災害ですので、健康保険を使うことはできませんでした。

 保険の適用を受けられず、治療費、入院費用は全額自己負担したといいます。
 医療機関にいくとほぼ当たり前のように健康保険証を提示し、保険の適用を受けますが、保険証が使えない場合もあるのです
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