プロ野球の選手会が2004年、ストライキを実施しました。
古田敦也選手がプロ野球選手会会長でした。プロ野球選手がストライキなんてできるの? と思われた方も多かったのではないでしょうか。
プロ野球選手も労働組合法では労働者なのです。
プロ野球選手会は労働組合なのです。
まずは、本日の結論から ★多忙な方はここをチェック★★↓↓
■ 重要ポイント +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
プロ野球選手も労働組合に加入することができる労働者です。
労働組合に加入できるのは労働基準法上の労働者ばかりではないのです。
■ 労基法の労働者+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
?職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われる者? これが労働基準法の労働者です。
プロ野球選手がこの労働者でないことは明らかです。労基法の労働者ならば、最低賃金の保障があり、時間外労働があれば残業代が支払われます。
■ 組合法の労働者+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
労働組合法では労働者を ?職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者? と定義づけています。
労基法の労働者には当たらない個人請負や委託で働く人も、経済的地位を向上させるために団体を組織し、集団として使用者と交渉する必要が認められる場合は、労働組合法上の労働者となりえます。
プロ野球選手は労働組合法上の労働者と認められているのです。
プロ野球選手については、最低年俸、年金、傷害補償、トレード制などの待遇について団体交渉が機能すると考えられています。また、競技の日時・場所、選手の配置・利用などについて、球団による指揮命令があることなどの理由から労働組合を作ることができる労働者と考えられているのです。
■ 選手会は労働組合+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
では労働組合とは何でしょう。
?労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他の経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体(又はその連合体)? です。
日本プロ野球選手会はプロ野球選手が加盟する労働組合なのです。
■ 正当な要求に基づくストライキは認められる+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
2004年のプロ野球選手会のストライキはどういうものだったのでしょうか。
球団側はバファローズとオリックス両球団の統合は経営権の問題で、組合員が口をはさむ問題ではないと考えていました。
選手の側からすると、球団が統合されることで、試合に出られる選手の数は減ることになります。他のチームにいかなければならなくなることは労働条件の問題です。組合員の労働条件が悪くならないように守ってほしいというのは正当な要求です。そのためのストライキは認められると考えられています。
■ 放送局の専属楽団員も労働者+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
放送局の専属楽団員、専属の映画俳優、電力会社の検針員なども ?労働組合法の適用を受ける労働者に当たる? と判示されています。
■ 管理職も組合に加入できる+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
会社に組合があっても、管理職になると 経営側だとして、労働組合に加入できません。けれども、企業組合の組合員資格の無い管理職であっても、企業外の労働組合に加入することができます。
経営陣と組合員の板ばさみになる管理職のための「管理職ユニオン」という労働組合ができています。
■ 法違反はありませんか +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
一般の社員と同様の業務をさせながら課長扱いとして残業代はなしという「名ばかり管理職」はいませんか。
このような法律違反があると、管理職ユニオンを通じて要求されたとき、反論の余地はありません。
組合問題は組合のある大きな会社ばかりの問題ではないのです。