作成日:2011/06/13
★ 節電と変形労働時間制 ★
なんと15%の節電が会社で、家庭で求められています。
労働時間や休日を変更しなければ なかなか対応できませんが・・・
1年単位の変形労働時間制を採用している会社は 気をつけなければならないことがあります。
まずは、本日の結論から ★多忙な方はここをチェック★★↓↓
■ 重要ポイント+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
変形労働時間を採用している場合、特例で労働時間の変更や労使協定の解約も認められるが、賃金の清算には注意が必要。
■ 厚生労働省から新しい通知が出た +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
東北電力と東京電力管内では夏場の15%の節電協力が求められています。
厚生労働省では、労働時間や休日の変更を行う場合の取り扱いの注意点をまとめています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001eiyt.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001cg75.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001cg50.html
節電が要請されているとはいえ、労基法違反があってはならないというわけです。
■ 節電目標とは+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
資源エネルギー庁は来月7月から9月の間、東京・東北電力管内全域で、15%の電力抑制を強く求めています。
東北電力管内では、平成23年7月1日から9月9日までの間、目標に向けて対策をとらなければなりません。
■ 1年単位の変形労働時間制とは+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
1年単位の変形労働制とは、1か月を超え1年以内の期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間を超えないようにして、労働時間を配分できる制度です。
労使協定を結べば、忙しいときの労働時間を多くして、ヒマなときの労働時間を少なくすることが認められています。休みの多い月もあるし、少ない月もあるけれど、1年間のカレンダーで休日を約束する、1年変形制というやりかたで法定の週40時間がクリアできます。
うまく活用すると 忙しい時期の残業代を減らすことができます。
多くの中小企業は、完全週休2日制で週40時間をすることが難しく、1年単位の変形労働時間制がとられています。
■ 原則途中変更はできない+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
変形労働時間制は、忙しいときとヒマなときがあるからと あらかじめ計画的に労働時間を定めるものです。あらかじめ労使で協定し、監督署に届出をしてはじめて認められるものです。
期間の途中で いったん決めた労働日や労働時間の変更はできません。
■ 途中退職者には適用できない+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
1年単位の変形労働時間制により労働させることができる労働者は会社従業員全員にする必要はありません。製造部の従業員は1年変形の対象者として、総務部は対象としないということでもかまいません。対象者は労使協定でキチンと決めておく必要があります。
労使協定で定められた対象者であっても、途中退職者や期間の途中の採用者については、賃金の清算をしなければなりません。
■ 賃金の清算とは+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
1年を均して40時間にするという約束ですから、1年に満たない勤務の場合、労働者が損をするということが出てきます。
忙しい期間だけ働いて退職するときに、残業代の問題が出るのです。
1年変形では労使協定に次の1文を入れ、該当者には賃金の清算を行わなければなりません。
『対象期間中において、途中から採用もしくは退職する労働者については、対象期間中労働させた時間を平均し1週間当たり40時間を超えた時間については時間外手当を支払うものとする』
■ 今回の節電の特例+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
今回平成23年7月から9月までの期間を対象期間に含む変形労働時間制を採用している事業場であって、節電対策のために当初の労働時間の変更をする場合、特例として労使協定の変更や解約が認められます。
■ 解約で賃金の清算が必要かチェックを+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
たとえば4月1日を起算日とする1年変形労働時間制を採用していて、6月に労使協定を解約した場合、4月〜6月の期間を平均して1週間当たり40時間を超えていないか、チェックが必要です。超えた時間に対しては割増賃金を支払わなければなりません。
■ 特例であるための特別の様式がある+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
今回のこの特例は大幅な電力抑制が求められるという状況によるものです。
特例のため、通常の1年単位の変形労働時間制に関する協定届に追記して、労使協定変更前の協定についての記載が求められています。
特に気をつけたいのは解約時の賃金清算の有無、清算を行った日を記載する
欄があることです。
節電対策だけでも頭が痛いのに、思いがけない残業代まで発生するとは!
賃金の清算について特例を設けるという通達はないようです。
詳細は以下の厚生労働省のホームページでご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001cg50.html