作成日:2011/01/31
★ 雇用促進あれこれ ★
「雇用」を促進するために、新しい税制が創設されます。
また、新卒者雇用の助成金も2月1日から変わる(拡充される)ものがありま
す。
今回は 創設される 雇用に関する税制 と 雇用して受給できる助成金の
改正をみてみます。
まずは、本日の結論から ★多忙な方はここをチェック★★↓↓
■ 重要ポイント +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
税と助成金の両面で、雇用を後押しする制度改正があります。
■■ 雇用と税 ■■
■ 雇用促進税制の概要+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
「税制改正大綱」が平成22年12月16日に出れました。
近年にない大改正となりました。ネットで簡単に大綱を見ることができますが、
大変なボリューム、135ページもあります。
雇用に関しては、雇用を増やした企業の税負担を軽くするという、税制上の
優遇措置がとられることになりました。
■ 税の優遇が受けられる要件+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
税制上の優遇措置を受けるためには以下の3つのことを充たす必要があります。
1 青色申告書を提出する法人であること
2 公共職業安定所長に雇用促進計画の届出を行うこと
3 平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度にお
いて、当該事業年度末の従業員のうち雇用保険の一般被保険者数が、10%以上
かつ 5人以上(中小企業者等については、2人以上)増加したこと
新規に大勢雇用したとしても、退職者も同じくらいいたら、該当しないことに
なります。
雇用保険の被保険者には一般被保険者のほか、高年齢継続被保険者、短期雇用
特例被保険者、日雇い労働被保険者がありますが、一般被保険者であることが
要件です。短時間労働者であっても1週間20時間以上、31日以上働いているの
であれば雇用保険の一般被保険者であり人数に含まれます。
短時間労働者を多く雇うことでも税の優遇は受けられるのです。
■ 優遇の内容+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
法人税額から一定額が控除されます。
控除額は、増加した増加した雇用保険一般被保険者の数に20万円を乗じた金
額です。
多く雇いいれるほど税金が安くなるということです。
ただし、当期の法人税額の10%(中小企業者等は20%)が上限となっていま
す。
法人住民税も同様に適用されます。
■ 次世代育成支援をする企業への優遇+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
雇用促進税制ではさらに、次世代育成支援対策推進法に基づく認定を受けた
企業にも税の優遇措置が新設されます。
・ 平成23年4月1日〜平成26年3月31日までの間に
・ 青色申告書を提出する法人で、次世代育成支援対策推進法の認定
を受けた「くるみんマーク取得企業」が
・ 事業用建物を一定期間内に増改築・新築した 場合に、
普通償却限度額の32%の割増償却が認められる制度です。
■ 雇用と助成金 ■
★ 22年度卒業予定者も助成金の対象に!+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
学校を卒業しても就職していない人たちを就業させようと、3年以内既卒者
(新卒扱い)採用拡大奨励金 や 3年以内既卒者トライアル雇用奨励金 が
あります。(平成22年9月から)
平成22年度の卒業予定者も対象になるという改正が今年に入って行われました。
平成23年2月1日以降は、平成22年度卒業予定者で就職先が未決定の方も対象
となります。
■ 3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金はどんな人を雇えば?+-+-+-+-
対象者は大学、大学院、短大、高専および専修学校を平成20年3月以降に卒
業後、安定した就労の経験がない(1年以上継続して同一の事業主に正規雇用
された経験がない)人。または、平成22年度に大学等の卒業を予定している人
です。
ハローワークまたは新卒応援ハローワークに求職登録をしていなければなり
ません。
知り合いからの紹介で新卒者を採用しても、職業安定所を通さなければ奨励
金は支給されません。
■ 3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金は いくらもらえる?+-+-+-+-
正規雇用から6か月後に100万円が支給されます。
奨励金の支給は、雇用保険適用事業所単位で、1事業所あたり1回限りです。
正規雇用とは「期間の定めのない雇用で、1週間の所定労働時間が通常の労
働者と同程度である労働契約を締結し、雇用保険の一般被保険者(ただし1週
間の所定労働時間が30時間未満の者を除く)として雇用する場合」をいいます。
■ 3年以内既卒者トライアル雇用奨励金はどんな人を雇えば?+-+-+-+-+-+-+-+-
この助成金の対象者は、中学、高校、高専、大学、大学院、短大、専修学校
を平成20年3月以降の卒業者です。平成22年度卒業予定者も対象です。
■ 3年以内既卒者トライアル雇用奨励金は いくらもらえる?+-+-+-+-+-+-+-+
原則3か月の有期雇用を結びます。その間必要な技術や知識を身につけてもら
い、その後正規雇用へとつなげることをねらいとする制度です。
3か月の有期雇用期間は月額10万円が受給できます。3か月のトライアル期間
終了後、正規雇用契約をすると、正規雇用から3か月後に50万円が受給できま
す。
■ 二つの助成金の共通点、相違点+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
新卒者就職実現プロジェクトという同じ意図で昨年9月にできた助成金です。
この2月1日から卒業を間近に控えた学生も含まれるよう対象が拡大されたこ
とは共通しています。
けれども、既卒者採用拡大奨励金の対象に中学、高校卒業者は含まれていま
せん。
正規雇用したら100万円を払いますという大きな金額の思い切った助成金の
対象者は、大学等の卒業者に限られています。
高校卒業者をすぐに正規雇用したら助成金はもらえないで、3か月のトライ
アル雇用の後正規雇用すれば合計で80万円もらえるのです。受給に当たっては
注意が必要です。
■ 雇用を積極的に+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
これらの雇用対策がどのように効果を発揮するのかわかりませんが、優秀な人
材を求める企業には好機といえるでしょう。
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