お知らせ
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作成日:2017/11/01
★★ 残業規制が罰則付きの法律に! ★★




 働き方改革の推進のための法律改正案(法案要綱)が9月8日付で出されました。

 施行時期については、平成31年の4月が想定されていましたが、国会の審議日
程の関係で先に延びる可能性はあります。

 時間外労働について絶対的な上限の規制がかけられるのが改正案の大きな特
徴です。


■ 重要ポイント ─────────────────────────

 時間外労働を命じるには36協定を結び、その限度時間で行うものだが、形骸化
していて健康をむしばむような長時間労働がなくならない。

 労働基準法の改正で残業時間について絶対的な上限規制がもうけられようとし
ている。上限規制は罰則を伴う厳しいものとなる。


■ 形骸化している36協定 ────────────────────────

「36協定は出していると思うが、見たことはない」

「36協定の代表が誰なのかわからない」

「36協定は届け出ているが、代表者の選出手続きには問題があると思っている」

 36協定は残業が違法にならないための大事な協定ですが、このような声を聞く
ことは珍しくありません。

 厚生労働省が行った調査によると、30人以下企業で36協定締結の有無を尋ねた
ところ、「締結している」が52.5%、「締結していない」が47.5%でした。
締結していない理由は「時間外労働等がない」が47.5%、「36協定の存在を知
らなかった」35.5%、「36協定締結・届出を失念した」13.5%でした。

 30人以下企業では3社に1社以上がそもそも「36協定を知らない」という驚くべ
き(!?)調査結果でした。(「平成25年労働時間等総合実態調査」)


■ 36協定の限度時間 ─────────────────────────

 時間外労働の限度時間は1か月45時間及び1年について360時間(1年単位の変
形労働時間制の場合は1か月42時間及び1年について320時間)とすることとい
うキマリは、現在、限度基準告示で定められています。告示ですから違反して
も労働基準法の違反にはなりません。限度基準の定めには強行的効力はありま
せん。

 改正後、限度時間の数字はそのまま同じですが、労基法の本文に書かれるこ
とになります。数字の重みが違ってくることになります。
 法律に格上げすることで、罰則による強制力を持たせることが狙いといいま
す。

 また、現在、法定休日労働(1週1日ないし4週4日)についての限度基準は特に
定められていません。時間外労働時間が40時間でも法定休日労働を8時間した
場合、48時間過分に働いたことになりますが、45時間の限度を超えたとは考え
ません。ところが改正後の特例では、「休日労働を含めて」という考えが盛り
込まれます。


■ 特別条項付き36協定 ─────────────────────────

 現在、限度基準の告示を超える時間外労働を命じるためには、「特別の事情」
を定めた特別条項を36協定に付けます。

 限度時間を超える時間外労働をさせられる回数を特別条項で協定しなければ
ならず、この回数は、1年のうち半分を超えないようにしなければなりません。
(行政通達)

 そのほか、限度時間を超える時間外労働をさせる場合に必要となる手続き
(たとえば使用者による事前通知、労使の協議を経て等)、限度時間を超えて
延長する場合の割増率を記載しなければなりません。割増率は25%を超える率
とすることが「努力義務」とされています。

 特別条項に基づき、限度時間を超えて何時間まで時間外労働が可能かについ
て、規制はありません。

 36協定を結ばないで時間外労働を命じることは違法になりますが、特別条項
をつけて36協定を結べば、時間外労働の上限について法律の規制がないのです
から、長時間労働ができる仕組みです。青天井の時間外労働が可能になってい
るというのはこのためです。


■ 特例の限度時間 ─────────────────────────

 改正後、特別条項は格段に厳しいものとなります。

 特例として、臨時的な特別の事情がある場合であって、労使が合意して労使協
定を結ぶ場合でも上回ることができない時間外労働時間は年720時間となります。

 さらに、年720時間以内において、一時的に業務量が増加する場合について、
最低限上回ることのできない上限として、以下が法条文に書かれます。

(1)     休日労働を含み、2か月ないし6か月平均で80時間以内

(2)     休日労働を含み、単月で100時間未満

(3)     原則である月45時間(1年単位の変形労働時間制の場合は42時間)の
時間外労働を上回る回数は、年6回まで


■ 残業の事由も厳しくなる ───────────────────────

 今までは違反がないようにするために、特別条項の時間外労働時間の数字を
多めにしておいた企業もあったかもしれませんが、改正では特例で時間外労働
が認められるための事由は「当該事業場における通常予見することのできない
業務量の大幅な増加等」の場合としています。

 営業職は3月が繁忙期という会社があったとします。今までは特別条項で3月
は70時間と労使協定をして問題がありませんでした。今後は、3月が予想され
る繁忙期ですから「通常予見することのできない業務量の大幅な増加」とは認
められない可能性があります。


■ 平均で80時間以内の意味 ───────────────────────

 法案では 「対象期間の初日から1箇月ごとに区分した各期間に当該各期間の
直前の1箇月、2箇月、3箇月、4箇月及び5箇月の期間を加えたそれぞれの期間
における労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間の1
箇月当たりの平均時間  80時間を超えないこと」となっています。

 もし来月90時間の時間外労働が見込まれるなら、今月は70時間までにしてお
かなければならなくなります。

 ひと月では100時間未満(以内ではなく未満!)、45時間を超えられるのは6
回までですから、残業時間の年間計画を立てておく必要が出てくるでしょう。


■ 健康への配慮 ─────────────────────────

 現在の労基法36条第2項は「労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を
考慮して基準を定めることができる」となっていますが、考慮する事情の箇所
に「労働者の健康」という言葉が新たに挿入される予定です。

 健康の確保については、労働安全衛生法で健康診断や医師面接等を規定して
いますが、労働基準法も健康への配慮を求める法律になります。


■ 自動車運転などは猶予 ─────────────────────────

 工作物の建設の事業、自動車の運転、医師については5年の猶予措置がもうけ
られます。

お問合せ
小野本 社労士事務所
〒950-2111
新潟県新潟市西区五十嵐一の町 7229-2
TEL:025-268-6120
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