「給与の締めが月末なので、退職日は出社しなくなった日に関わらず、月末にしている。給与の日割りもめんどうだし・・・」という会社がありました。
こうする必要はあるでしょうか?
月末まで在職していると社会保険料負担があるのです。
まずは、本日の結論から ★多忙な方はここをチェック★★↓↓
■ 重要ポイント+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
退職日が月末かそうでないか、1日の違いが社会保険では1か月の違いになります。
■ 社会保険の加+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
・社会保険は入社した日に被保険者となります。
・被保険者期間の単位は月です。
・被保険者の資格を取得した日の属する月が加入月となります。
1日に社会保険に加入しても31日に加入しても、1か月間加入したことになります。月のいつであっても、勤務日数に関係なく1か月です。同じ保険料す。
加入のときは月初めがお得ということになります。
■ 試用期間でも加入+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
月初めに社会保険に加入するのが有利なら、働きはじめた日から月末までは試用期間ということにして、その間加入せず、次の月の初めから社会保険に加入するのは可能でしょうか?
試用期間中でも、社会保険には加入しなければなりません。
■ 2か月以内の期間雇用ならば、加入しなくてよい+-+-+-+
試用期間は被保険者にしなければなりませんが、2か月以内という期間を定めた雇用契約なのであれば、被保険者となりません。(健康保険法第3条第2項)
■ 社会保険の喪失+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
社会保険を辞めるときも、被保険者期間が月単位だということに注意が必要です。
被保険者の資格を喪失した月の前月までが被保険者期間です。
月末まで在職した場合、翌月1日が喪失日=喪失月です。
1月31日まで在職すれば、2月が喪失月となり、1月は社会保険加入月です。
1月30まで在職、1月31日喪失であれば、1月は社会保険喪失月となり、12月までが社会保険加入です。
■ 末日が休日のときは注意+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
12月末日で退職したいという申し出があり、本人の退職願には「12月30日をもって退職したい」とあった場合には気をつけなければなりません。
12月31日は会社の休日。出勤しないからという理由で社会保険の仕組みを知らずに、退職願を書いた可能性があります。
12月30日退職、31日喪失の場合は、11月までが社会保険加入、12月分の社会保険は会社ではなく個人で負担する(フツウは国民健康保険と国民年金に加入)ことになることを説明しましょう。
12月1日から30日まで健康保険の被保険者証は使えますからちょっとおかしい気もしますが・・・
12月31日に出勤しなくとも月末(31日)が退職日で、翌日の1月1日が社会保険の喪失日であれば、12月まで会社で社会保険に加入します。
■ 締め日まで退職日を延ばす必要はない+-+-+-+-+-+-+-+-+
月給者だからといって働いていない日にまで賃金を払ったり、締め日まで退職日を延ばすことはありません。
冒頭の会社のように、月末まで引き伸ばしていては、社会保険料の負担もバカになりません。
ただし、月の途中で退職の場合、同じ月のうちに、他社に就職が決まっているのでなければ、社会保険料は個人で負担しなければならなくなるしくみになっているという説明をしておくべきでしょう。
特に年金の加入期間は、空白ができやすくなります。
■ 入社してすぐ辞めたとき+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
新入社員の社会保険の手続きをしたのに、すぐにやめてしまった・・・そんなときの保険料はどうすればいいのでしょう。
社会保険加入の単位は1か月。勤務した日数でひと月の保険料を按分するという発想はありません。
同じ月に取得と喪失をした場合は、日数に関わらず1か月の加入と考えます。保険料の負担があります。
■ 保険料徴収の間違いに注意を+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
20万円の標準報酬月額にかかる厚生年金、健康保険、介護保険料は53,680円です。(新潟県の場合。この金額を会社と本人で折半負担。)
退職日と社会保険の喪失の考え方を理解すると、社会保険料のムダを省くことができます。
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健康保険料、厚生年金保険料はまだまだ上がります。
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