お知らせ
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作成日:2017/02/01
★★ 確定拠出年金に加入しますか? ★★ 



 

 2017年1月1日からほとんどすべての人が確定拠出年金に加入できるようにな

りました。どのような制度なのでしょうか。

 

 

■ 重要ポイント ───────────────────────── 

 

 個人型確定拠出年金の加入範囲が公務員や主婦にも広がったが、まずは制度の

メリット・デメリットをしっかり押さえたいものだ。

 

 

■ 確定拠出年金の制度概要 ─────────────────────── 

 

 iDeCo個人型確定拠出年金のホームページよると

 

「これまでの公的年金や確定給付年金は、国や企業などの責任においてその資金

を運用してきましたが、確定拠出年金は自分の持分(年金資産)が明確で自己

の責任において運用商品を選び運用する年金制度です。

 

個人型確定拠出年金は、国民年金基金や既存の企業年金に加え、新たな選択肢

として公的年金に上乗せされる制度です。老後の所得保障の一層の充実が可能

になります。」

 

と書かれています。

 

 

 国は積極的に確定拠出年金の加入を促そうとしています。

 

 

■ 確定拠出年金は老後資金の積立制度───────────────── 

 

 確定拠出年金は2001年10月に開始された制度です。アメリカの401kという制

度を参考に作られたため、当時は「日本版401k」といわれました。

 

 これまでは、(1)自営業者などの国民年金の第1号被保険者、(2)企業型

確定拠出年金がある会社の社員、(3)企業型確定拠出年金もほかの企業年金

もない会社、の社員が個人型確定拠出年金の対象者でした。

 

 今回の改正で、(1)公務員、(2)会社員・公務員の配偶者を持つ国民年金

の第3号被保険者(=主に主婦)、(3)企業型確定拠出年金が導入されていな

いがほかの企業年金はある会社の社員も新たに個人型確定拠出年金に加入でき

るようになりました。

 

 確定拠出年金には個人型のほか企業型があります。

 

 個人型は掛け金の全額を個人が負担します。企業型は原則会社が掛け金を負担

しますが、社員個人が掛け金を上乗せすることもできます。(マッチング拠出

という)

 個人型は自分で運営管理機関を選びその商品から運用します。企業型は企業が

契約した運営管理機関の商品から運用します。

 

 

■ 確定拠出と確定給付───────────────────────── 

 

 企業年金には確定給付企業年金と確定拠出企業年金があります。

 

 確定給付企業年金は企業が給付額をあらかじめ定めているのもので、掛け金

(会社が負担)の運用実績にかかわらず、給付額が保証されています。年金と

名前がついていますが、一時金で受け取ることも可能です。運用のリスクは企

業が負います。

 

 確定拠出企業年金は掛け金(会社あるいは会社と社員が負担)を決めて、運用

はひとりひとりに任せます。運用次第で同じ掛け金でも個人ごとに退職金の金

額が変わるのが、特徴です。

 

 

■ 確定拠出年金でできる節税───────────────────── 

 

 確定拠出年金の最大のメリットは積み立てるお金(掛け金)に税金がかからな

いことです。

 

 個人型確定拠出年金に加入して自分で積み立てるお金を出す場合や、企業型確

定拠出年金で自分の給与から積み立てるお金を上乗せするマッチング拠出を利

用した場合は、積み立てた金額が「所得控除」となります。課税所得が少なく

なるので、所得税や住民税が安くなります。

 

 第2のメリットは、運用中の利益にかかる税金も「非課税」になることです。

運用期間中は運用益に課税されずに、複利で資産運用ができる仕組みです。

 

 

■ 転職したら資産を持ち運ぶことができる──────────────── 

 

 確定給付企業年金などは、退職するとその企業年金から脱退しなければな

らなくなり、年金資産を考える上では不利です。

 

 確定拠出年金では転職した場合でも、自分の積立金を全額持ち運ぶことができ

ます。

 60歳より前に転職・離職をした場合は、資産を持ち運ぶことができます。この

ポータビリティーがあることも確定拠出年金のメリットです。

 

 

■ 積立金が把握できる───────────────────────── 

 

 確定給付年金の制度があっても、JAL(日本航空)が破たんした時は、給付額

の減額がありました。厚生年金基金も、運用の失敗で、年金支給額が減額され

たケースもありました。その点確定拠出年金は個人の年金資産額がはっきりし

ていて、企業の都合等に年金額が影響を受けません。

 

 確定拠出年金では、自分の年金資産の運用状況をリアルタイムで1円単位で把

握することができます。

 

 

■ 個人型確定拠出年金の加入者が転職した場合────────────── 

 

 個人型確定拠出年金の加入者が企業型確定拠出年金制度のある企業に転職した

場合は、個人型確定拠出年金で積み立てた資産を企業型確定拠出年金へ移す手

続きをします。

 

 

■ 企業型確定拠出年金の加入者が転職した場合────────────── 

 

 転職先が企業型確定拠出年金を実施していれば、転職先の制度へ、実施してい

ない場合は個人型確定拠出年金へ資産を移す手続きが必要です。

 

 

■ 退職後自営になったなどの場合──────────────────── 

 

 企業型確定拠出年金の加入者が退職して自営業(国民年金第1号被保険者)に

なった場合は、個人型の確定拠出年金に資産を移し、続き加入者として拠出を

続けることができます。

 

 

■ 導入企業のメリット───────────────────────── 

 

 個人型の確定拠出年金の場合は、掛け金の分だけ課税所得が圧縮されて、所得

税・住民税などの負担を軽くすることができますが、企業が確定拠出年金を導

入すると、支払う社会保険料を計算する根拠になる報酬額を減額することがで

きます。社会保険料が安くなります。

 

 転職は珍しいことではなくなっており、確定拠出年金が導入されているか否か

は、会社の労働条件の重要な要素となってくるともいわれています。

 

 

■ 個人型確定拠出年金加入の注意点──────────────────── 

 

 個人型確定拠出年金の掛け金は任意に設定できます(上限あり)が、公的年金

に上乗せされる年金であり、国民年金に加入している人しか掛けられません。

自営業者は年金の納付を忘れないようにしなければなりません。

 

 個人型確定拠出年金は、中途解約して払い戻しを受けることはできません。解

約返戻金のような制度はありません。

 

 老齢給付は原則60歳からです。60歳以降に請求し受給します。

 

 各種の事務手数料がかかります。加入にあたっては口座を開設しなければなり

ませんが、金融機関等に口座開設手数料、口座管理手数料、投資信託の信託報

酬、そのほか、国民年金基金連合会にも事務手数料がかかります。金融機関に

支払う手数料は金融機関によって異なりますし、信託報酬も運用商品ごとに異

なりますので、手数料を調べるサイトなどを利用して慎重に選ぶ必要があるよ

うです。

 

 これからも法改正が予定されています。 
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