求人しているのに応募がない、若い人を採用したいのに全く採用できな
い・・・こんなお悩みの会社は少なくないようです。
若者の採用・育成に積極的と認められる中小企業を厚生労働大臣が認定する制
度があります。
認定を受けると採用活動や助成金の受給で有利になります。
認定されれば、若者から選ばれる企業になることでしょう。
■ 重要ポイント ───────────────────────────
若者の採用・育成に積極的な企業を国が認定する【ユースエール認定制度】が
はじまっている。
認定マークも作られ、期待されている認定制度です。
■ ユースエール認定制度とは ────────────────────────
若者の就労を支援しようと、平成27年10月1日に「青少年の雇用の促進等に関
する法律」(若者雇用促進法)ができました。
若者は将来の経済・社会を担う者です。若者の職業選択の支援や職業能力の開
発・向上への取組みを進めようという趣旨の法律です。
■ 適職選択の取組促進のひとつが認定制度 ──────────────────
入社して3年以内に退職する若者が多いという現状は適職を選択していない
ということになります。
法律により、適職選択のために次の3っつの取り組みがはじまりました。
(1)新卒者の募集を行う企業に対しては応募者から求めがあった場合、一定の情報
提供が義務化されました。
(2)ハローワークは労働関係の法令違反があった会社の求人申込みを受理しないこ
とができるようになりました。
3番目として青少年の雇用管理状況が優良な中小企業について、厚生労働大臣が新た
に認定する制度(ユースエール認定制度)を設けることになりました。
■ 認定の要件 ───────────────────────────
若者が応募してくる会社というと、仕事内容が魅力的で、給与が高く休みが
多い・・・と思ってしまいますが、《認定制度の求める雇用管理状況が優良》とは、
給与額や休みの数についての基準はありません。
常時雇用する労働者が300人以下の事業主であって、教育訓練の制度がある
こと、離職率が低いこと、残業が少なくて、年次有給休暇の取得率が高いこと
が優良と判断弾される要素です。
■ 具体的な要件 ───────────────────────────
認定を受けるには、以下の要件をすべて満たしていなければなりません。
(1)「人材育成方針」と「教育訓練計画」を策定していること
(2)直近3事業年度の新卒者などの正社員として就職した者の離職率が20%
以下
(3)前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下または週労働
時間が60時間以上の正社員の割合が5%以下
(4)前事業年度の正社員の有給休暇の年平均取得率が70%以上または年平均
取得日数が10日以上
(5)直近3事業年度において、男性労働者の育児休業等の取得者が1人以上ま
たは女性労働者の育児休業等の取得率が75%以上
教育訓練の制度が整っていて、家庭生活と両立できるような労働時間、年次有
給休暇も取りやすく、子どもができてからも働き続けられる・・・そんな会社
が認定の対象です。
■ 認定を受けるメリット ────────────────────────
以下のメリットがあると政府は広報しています。
(1) ハローワーク等で重点的PRの実施
ハローワーク等の求人で応募増が期待できます。ユースエール認定企業はの
データはホームページで公表され、会社の魅力が広くアピールできます。
(2) 認定企業限定の就職面接会等への参加
(3) 自社の製品、広告などに認定マークの使用が可能
若葉をデザインした認定マークが定められています。
(4) 若者の採用・育成を支援する関係助成金を加算
キャリアアップ助成金やキャリア形成促進助成金の受給時に一定額の加算があ
ります。
(5) 日本政策金融公庫による低利融資
(6) 公共調達において加点評価
■ 認定企業は公表されている ──────────────────────
認定企業は企業名のほか、詳細な雇用管理状況が以下で公表されています。
https://www.wakamono-saiyou-ikusei.go.jp/search/service/search.action
(8月14日現在で新潟県内では20社が認定されています)
認定要件をみると難しそうですが、認定企業を見てみると小さな会社もあり
ますし、職種も様々なことが分かります。
若者から選ばれる会社になるためにも、教育研修制度の充実、残業時間の削
減や年次有給休暇の取得率の向上をはかることが求められているようです。
今もらえる給与額より、「本当に長期に働けるか」が重視されているようです。