作成日:2016/05/17
★ 信頼できる健診機関ですか ★
健康診断を行っている診療所(東京都内)を視察する機会がありました。
社労士向けの医療労務コンサルタント研修の一コマとしての視察です。
健診を受ける人の立場に立ってさまざまな工夫がされている診療所で、こんな
ところなら、安心して健康診断を受けることができると感じました。
■ 重要ポイント ───────────────────────────
毎年行われる定期健康診断ですが、受けて安心できる健診機関を選びたいものです。
■ わかりやすい表示 ──────────────────────────
その健診機関はビルの一フロアでしたが、明るく清潔感がある受付で迎えられ
ました。
どこでどのような検査があるのか、大きくてわかりやすい表示がありました。
健診を受けるときに気をつけてほしい事柄は黄色の地に黒字で太く表示されて
いました。
床に色別のテープが張られていて、検査場所への移動が、間違わずに行けるよ
うな工夫がありました。
■ 込み具合のわかる表示 ────────────────────────
健診では待たされることが苦痛の一つ。ここでは混んでいる検査場所がホワイ
トボードを見ると一目でわかるようになっていました。
待たされる不快感が減らされます。
■ 待合室には水槽 ─────────────────────────
壁に貼られているポスター等は無駄がなく、整然としていました。
待合室には水槽が置かれていました。癒しの空間が工夫されていました。
■ 不安を取り除く表示 ───────────────────────
内視鏡の検査は誰でも不安に思う検査のひとつではないでしょうか。
内視鏡の検査室の前には写真入りで検査の流れがわかりやすく表示されていま
した。
そのほかプライバシーマークの表示等も、検査機関として信頼できると安心感
を与えられます。
■ トイレドアが通路をふさがない工夫 ──────────────────
女子トイレの個室のドアは、スライドになっていて、通路を塞がないで出入り
できるものになっていました。もちろんすべて車いすでも大丈夫なバリアフ
リーの床面でした。
■ カルテは電子化 ───────────────────────────
医療機関の受付の棚にカルテが並べられていたりしますが、この診療所ではす
べて電子データで、紙のカルテはなく、全体にすっきりとしていました。
■ 問診は前年データと比較してポイントは説明する ────────────
「定期健康診断で医師の問診を受けても、安心できるようなものではない」
「定期健康診断の問診って意味があるの?」
こんな声を聞いたことがありますが、ここの診療所の医師は、
「1人2-3分の限られた時間という制約はありますが、前年とデータを比較して、
健康上気をつけることなど、何か一つ心にとめてもらえるように心がけて問診
している。形だけの問診に終わらせてはならないと考えている。」
というお話でした。
■ 限られた予算の中で ─────────────────────────
視察後、診療所の責任者のかたのお話を伺う時間がありました。
便利な機器や見やすい表示やなどは、予算があれば新しいものを買ったり、外
部の専門家に依頼することもできるが、現状では限られた予算の中で、スタッ
フが意見を出しあって考え、手作りで工夫したり、改善したりしているという
ことでした。
■ 健診機関の役割の多様化 ───────────────────────
多くの健康診断を行う機関では、高度な検診やストレスチェックなど、健康に
かかる様々なサービスに対応できるよう変わってきているようです。
定期健康診断をしても、あまり役に立たないのではないか、そんな疑問を払し
ょくさせてくれる、健診機関でした。
■ まとめ ───────────────────────────
見学を受け入れるということ事体、外部の人の意見に耳を傾けよう、もっとよく
していこう、という取り組みの表れなのでしょう。
視察はグループを組んで行い、気になる箇所の写真を撮り、良いところ、改善
できる所について後から意見交換しました。
会社の業務改善にも応用できそうです。