お知らせ
お知らせ
作成日:2016/05/02
★ 女性活躍推進法って何 ★



 女性活躍推進法の行動計画を4月1日までに労働局に届け出た企業が71.5%
と報道されました。

 従業員数301人以上の企業は行動計画の策定が義務付けられています。中小
企業(300人以下)は義務ではありませんが、努力義務が課されています。

 いったいどんな法律なのでしょうか。


■  重要ポイント ───────────────────────────

 日本の女性の働き方の典型は、出産前は正社員で、子育て後はパート就労。
職業生活で女性が十分な能力を発揮しているとはいえない現状です。

 女性活躍推進法は数値目標を立て具体的な行動を起こすように求めています。


■  日本の女性の雇用はM字型 ────────────────────

 日本の女性の働き方は、正規社員の形態では20代後半がピークです。30代後
半に就業率が上昇しますが、パート・アルバイト等の非正規雇用が主となって
います。女性は出産子育てがあるとはいえ、諸外国ではそうではありません。

 管理職に占める女性の割合は、11.3%で、日本は国際的にも特に低い水準と
なっています。

 男女雇用機会均等法(昭和61年)ができて30年以上、男女共同参画社会基本
法(平成11年)もあるのに、女性の活躍において日本は遅れています。


■  男女で違う就労の実態 ─────────────────────

 管理職に占める女性の割合は、大企業ほど低く、また、女性の従業員の割合
も大企業ほど低い現状となっています。(厚生労働省 賃金構造基本統計調査
ほか)

 教育訓練の受講率でみると女性は男性より低く、上司は女性部下に比べて男
性部下に高い目標を与える傾向があります。



■  出産と継続就業 ────────────────────────

 約6割の女性が第1子出産を機に退職しています。総合職の女性は採用されて
10年が経過すると65%が離職しています。

 近年正社員を中心に育児休業をして継続就業する女性の割合は高まっていま
すが、平均勤続年数は男性13.3年、女性9.1年と差があります。



■  男性の家事時間 ────────────────────────

 6歳未満児のいる夫の家事・育児関連時間(1日当たり)の国際比較で、ドイ
ツ、スウェーデン、ノルウェーは3時間以上ですが、日本は1時間余と極端に短
くなっています。平日の夫の家事・育児時間が4時間以上の家庭の妻の就業継
続割合が74%であるのに対し、家事・育児時間なしの夫の場合、妻の就業継続
割合は46%と下がっています。


■ 特に男性の長時間労働が日本の特徴 ───────────────

 長時間労働者の割合を国際比較したデータでは、日本の男性雇用者の長時間
労働者の割合の高さは突出しています。

 日本の男性正社員の17%が週60時間以上働いています。配偶者がいて18歳未
満の子がいる男女が家事にかける週間平均時間は、日本の男性が12.0時間女性
は53.7時間(分担率18.3%)で世界最低水準です。(スウェーデン42.7%をは
じめ40%程度の国が多い)

 男性の長時間労働が家事・育児への参加を妨げ、女性の継続就業を難しくし、
職業生活における活躍の機会を狭くしているといえます。


■ 女性が活躍できない理由 ────────────────────

 職場で女性が活躍できない理由として国は以下のことをあげています。(女
性活躍推進法参考資料)

(1) そもそも女性の採用比率が低い(36.6%の企業は女性採用なし)

(2) 女性の教育訓練をしていない
           (営業や生産の部門では7割の企業で男性9割以上)

(3) 妊娠出産後、勤務時間が合わない、職場の支援がないなどを理由に子
育てと両立できずに仕事を辞めている

(4) 仕事と家庭の両立が難しく管理職に昇進したいと思わない


■ 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 ────────

 女性活躍推進法の正式な名前は、「女性の職業生活における活躍の推進に関
する法律」。

女性の活躍を迅速かつ重点的に推進し、豊かで活力ある社会を実現すること
を目的として制定されました。職業生活において、女性が個性と能力を十分
に発揮できるよう、国、地方公共団体、民間事業主(一般事業主)それぞれ
女性の活躍推進に関する責務が定められています。

 平成27年8月28日に成立し、平成28年4月1日から一般事業主に関する部分が
施行されています。


■ 301人以上の企業がしなければならないこと ─────────────

 大企業(301人以上)は平成28年3月31日までに以下ことが義務付けられまし
た。

(1) 自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析

 女性採用比率、勤続年数男女差、労働時間の状況、女性管理職比率の数字を
出します。

(2) 状況把握・課題分析を踏まえた行動計画の策定・届出・公表

 定量的な目標を定め、実施時期、計画期間、取り組み内容を定めます。
行動計画を策定したら都道府県労働局に届け出をして、労働者に周知を図り、
ホームページで公表するなど外部にも公表します。


■ 女性活躍企業の認定【えるぼし】 ───────────────────

女性が活躍していることが客観的な指標で認定された場合、認定マーク
【えるぼし】を商品や広告、名刺、求人票に使用することができます。
女性活躍推進事業主であることをアピールできます。


認定基準は

 男女別の採用者数と応募者数が同程度であること

 女性の継続就業状態が一定程度以上であること

 時間外労働が多すぎないこと

 女性管理職比率が産業ごとの平均値以上であること

 非正規社員から正社員への転換制度があり実績があること  などです。


■ 女性活躍加速化助成金 ────────────────────

300人以下の企業は女性活躍推進の取組が義務ではありません。

中小事業主が女性活躍に取り組むと女性活躍加速化助成金で30万円もらえます。
 

■ まとめ ───────────────────────────

正社員の配偶者であって扶養家族でいる働き方には税法上・社会保険上のメリ
ットがあります。保育所不足も深刻です。

この法律で男女の働き方に変化が起きるでしょうか。
お問合せ
社労士法人アイビーウィル
〒950-0986
新潟県新潟市中央区神道寺南2-7-43
TEL:025-385-7771
FAX:025-385-7579