作成日:2015/10/13
★ 助成金は変わっています!★
雇用保険が財源の助成金は毎年変わります。年度の途中でも変わります。
今年度変化のあった助成金をいくつか取り上げてみます。
助成金申請の参考にしてください。
■ 重要ポイント ───────────────────────────
助成金は変わるので注意が必要。
助成金申請のポイントを知り、活用しよう。
■ 特定求職者雇用開発助成金は減額に ──────────────────
特定求職者雇用開発助成金、短くトッカイキンといわれます。
受給要件がわかりやすく、以前から続いている助成金で、特別なことをしな
くともたまたま雇用した人が、【特定求職者】にあてはまり、一定の期間継続
して雇い入れるともらえるという助成金です。
たとえば、採用しようとした人が、たまたま母子家庭の母だったといった場
合、1年間雇用すると90万円がもらえました。
今年の5月1日からの改正で、母子家庭の母を雇用しても金額は60万円に減額
となりました。
高年齢者(60歳以上65歳未満)の雇用についても、90万円から60万円の減額
です。
身体・知的障害者の雇用では135万円もらえましたが、120万円に減額となっ
ています。
■ 特定就職困難者雇用開発助成金はもらいにくくなった───────────
雇用に関する助成金は一般的に解雇や退職勧奨をするともらえなかったり、
一定の期間受給が制限されたりします。
特定就職困難者の助成金は10月1日から支給要件に離職割合要件が追加され
ました。
しょっちゅう離職する人がいる会社に、雇用したからということで助成金を
支払うのはおかしい・・・ということなのでしょう。
助成金の対象となった労働者の離職割合が高い場合、新たな対象労働者の雇
い入れについて、この助成金を受けることができなくなります。
(1)雇い入れ1年後の離職割合が50%を超えていること
(2)助成対象期間終了1年後の離職割合が50%を超えていること
離職割合の判定方法は厚生労働省のパンフレットでご確認ください。
■ キャリアアップ助成金はコースが増えた────────────────
有期契約労働者や短時間労働者の待遇改善や教育研修でもらえるのがキャリ
アップ助成金です。
今年度から新たに多様な正社員コースができました。
転勤がないとか、職務限定とかの正社員制度を新たに規定し、適用した会社
には40万円あげますというものです。
多様な正社員を普及・拡大しようという施策を受けてこのような助成金が創
設されています。
■ 人材育成コースは金額がアップ────────────────────
キャリアアップ助成金の人材育成コースは有期契約労働者等にOff−JT
とOJTの職業訓練を3〜6カ月行うともらえますが、OJTの1時間当たりの
金額が700円から800円に上がっています。(平成27年4月10日から)
■ キャリアアップ受給事例 ────────────────────
3カ月、480時間の訓練では800円をかけて384,000円がもらえます。
その後正社員転換で50万円です。
教育研修にかかった費用は10万円まで。合計984,000円
従業員3人の会社で二人がこの制度を活用(二人で1,968,000円受給)しています。
■ ストレスチェック制度でも助成金が──────────────────
12月から50人以上の企業にはストレスチェックが義務付けられます。
ストレスチェックを行った場合の助成金も新設されています。
(ただしこの助成金は単独の企業が対象ではなく、事業主団体がもらえる助成
金です)
■ 助成金は国の政策を反映───────────────────────
助成金は国の政策を反映しています。
就職が困難な人(高齢、障害者や母子・父子家庭等)を採用してもらえた助
成金は、今年度は金額が減り、離職要件が厳しくなっています。
一方 有期契約労働者や短時間労働者の処遇改善の助成金は新たなコースが
新設されたり、助成額が上がったりしています。
■ 助成金を活用しましょう───────────────────────
知らなければ、申請しなければもらえないのが助成金です。
「へ―そんな助成金があったの、知らなかった・・・」
事業主の方からお聞きすると残念でなりません。
雇用関係の助成金の財源は、事業主が負担している雇用保険料です。
助成金は申請しやすいかどうか、事前の書類提出が必要かどうかなど、ポイ
トを押さえる必要があります。