お知らせ
お知らせ
作成日:2015/06/04
★ 休日は何日ですか ? ★



「年間休日を85日にして、1日の労働時間を7時間半としたいがどうだろう」

 週休2日制が難しい会社では、年間の休日をあらかじめ決めて働いてもらう変
変形労働時間制が広く使われています。

 1年単位の変形労働時間制は便利な制度ですが、上記のやり方は総労働時間で
問題があります。

 ではどうすれば?


■ 重要ポイント ───────────────────────────

 休日がなかなか取れない会社では、1日の所定の労働時間を8時間より短くす
ればよいが、法定労働時間の枠に収まっているかどうかを考える必要がある。

 年間休日85なら、1日の所定労働時間は7時間20分にしよう。


■ 週40時間で年間の労働時間の総枠は ────────────────

 1年365日には52.14週あります。1年に52.14週なので、この数字に40を掛け
ると、1年間の労働時間の総枠の数字が出てきます。2,085.6時間です。

 1年変形という方法を使っても、年間の労働時間は2,085時間を超えることが
できません。

 1年単位の変形労働時間を採用して、1日8時間の所定労働時間であれば、労働
日数が260日(=休日105日)で年間総労働時間が2,080時間ですから総枠内に
収まっています。


■ 年間休日105日が確保できない場合 ─────────────────

 年間の所定休日が105日確保できないのであれば、1日の所定労働時間を減ら
すことで、休日日数を減らすことができます。

 休憩を入れるなどして1日の所定労働時間を7時間50分にすれば、所定労働日
266日(=休日99日)で総枠に収まります。


■ 1日の労働時間の休日の関係 ────────────────────

 1日の所定労働時間と休日数は以下のような関係になります。

 所定労働時間を5分減らすと、年間の休日を3日ずつ減らしていくことができ
ることがわかります。


  1日の所定労働時間8時間なら 休日日数105、労働日数260

  1日の所定労働時間7時間55分なら休日日数102、労働日数263

  1日の所定労働時間7時間50分なら休日日数99、労働日数266

  1日の所定労働時間7時間45分なら休日日数96、労働日数269

  1日の所定労働時間7時間40分なら休日日数93、労働日数272

  1日の所定労働時間7時間35分なら休日日数90、労働日数275

  1日の所定労働時間7時間30分なら休日日数87、労働日数278


■ 1年変形では年間休日は85日必要 ──────────────────

 上記の関係を延長して、労働時間7時25分にして休日84日としたとします。

 総枠には収まっていますが、採用できません。

 実は、1年の変形労働時間を採用する場合、年間の休日は最低でも85日という
決まりがあるのです。

 この85という数字は、隔週週休2日(52日+26日)及びその他の休日(7日)
の合計からきているといわれています。

 冒頭のご相談ですが、1日の労働時間を7時間30分とすれば、休日は85ではなく
87日とるようにしなければなりませんし、85日以上確保できないというのであれ
ば、1日の労働時間を7時間20分とすれば、法律をクリアすることができます。

 この場合、7時間20分×(365−85)で、年間総労働時間は2,053.3時間となり
ます。85日の休日確保という制約のため、1年間の総労働時間では2,085を下回る
2,053という労働時間になります。

 月給者に残業代を払うときの時間単価は「1カ月の平均の所定労働時間」で割
って出しますので、1年の総労働時間の数字が小さいと、連動して1カ月の所定労
働時間が小さな数字となり、時間単価が少し高くなってしまいます。


■ 1年85日も休めない場合は ─────────────────────

 年間の休日が85日も確保できない場合は、1カ月変形の労働時間制を考えま
しょう。

 毎週日曜日と月2回の土曜日を所定休日とすると1カ月の所定休日は6日で、
年間休日は72日です。これは1日の所定労働時間を7時間にすることで法を
クリアできます。

   31日の月の労働時間=7×(31−6)=175時間
      (31日の月の上限時間177時間を下回っている)

   30日の月の労働時間=7×(31−6)=168時間
      (30日の月の上限時間171時間を下回っている)

   28日の月の労働時間=7×(28−6)=154時間
      (28日の月の上限時間160時間を下回っている)

 なお、月の労働時間の限度時間は40時間×月の暦日数÷7で計算されます。


■ 1日8時間の場合の月の休日 ─────────────────────

 1日の所定労働時間が8時間の場合、31日の月も30の日も最低9日の休日
が必要です。(1カ月変形の場合)

 28日の月は8日の休みで足ります。

 31日の月の労働時間=8×(31−9)=176時間

 30日の月の労働時間=8×(30−9)=168時間

 28日の月の労働時間=8×(28−8)=160時間

 1カ月9日の休日が年間11回であとは1回8日ですと1年では107日の休
日となります。

 1年変形を採用すれば105日ですみますが、1カ月変形では107日必要と
いうことです。


■ 1年変形は届け出が必要 ─────────────────────

 1年単位の変形労働時間制を採用するには、所定の労使協定を結んで、毎年
労働基準監督署に届け出が必要です。

 1カ月変形は就業規則などにその旨記載しておけば、届出の必要はありません。


■ 法が求めるピッタリを抑えること ──────────────────

 《年次有給休暇の取得を促進する》と国は方針を明らかにし、それに向けて来
年度から法改正も行われようとしています。

 会社が所定休日を多く設定することは働く人には望ましいことですが、すべて
の労働者には年次有給休暇を請求する権利があり、今後は請求する人が増えるこ
とが予想されます。

 所定休日を多くしても、年次有給休暇の請求を制限することはできません。

年次有給休暇の取得率を上げることは今後ますます求められます。

 休日についてどこまで法律が求めているのかをまずは正しく理解しておきまし
ょう。
お問合せ
社労士法人アイビーウィル
〒950-0986
新潟県新潟市中央区神道寺南2-7-43
TEL:025-385-7771
FAX:025-385-7579