お知らせ
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作成日:2010/11/05
★ 介護の短時間勤務を認める? ★




 『不登校になっている子どものために短時間勤務をしたい。』
 こんな従業員に、介護短時間勤務を認めるべきなのでしょうか?

 まずは、本日の結論から  ★多忙な方はここをチェック★★↓↓

■ 重要ポイント +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
 要介護状態とは、その家族や介護をする労働者が必要であると考えれば該当するものではありません。
 不登校の子どものための短時間勤務は、介護短時間勤務には当たらないと考えられますが・・・。

■ 介護休業制度とは +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
 介護休業は育児休業と並んで事業主に義務付けられている制度です。
 介護休業制度とは、男女を問わず、介護を必要とする家族を抱えた労働者が、事業主に申出ることにより、雇用関係を維持したまま、介護のための休業をすることができるという制度です。
 介護のために休みたいという従業員がいたら、休ませるように・・・
 平成7年に介護休業は事業主の努力義務となり、平成11年から義務となっています。

■ 介護で休むことは労働者の権利 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
 「介護が必要な家族がいて会社を休みたいと従業員が言ってきたら、年次有給休暇で休ませている。介護休業制度が義務化されても今までどおりの取り扱いでいいですよね、義務化って何のため?」
 確かに、ごもっともな疑問です。
 介護休業は、法律により労働者の権利として認められているものであるとご理解ください。
 「いつからいつまで休みます」と法に定められた要件を満たした従業員が申出た場合、従業員の就労の義務は法律上なくなります。会社は「その日、休まれては困る」と休みを認めなかったり、「そんなやつはクビだ」と解雇したりすることはできません。
 家族の介護をする労働者が仕事を辞めないで働き続けること、職業生活と家庭生活の両立ができるようにして、労働者の福祉の増進、経済社会の発展に資することが法の目的です。

■ 介護休業の対象家族とは +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
 介護休業が実施されるためには以下のことを明確にしておく必要があります。
  ・介護休業できる人(労働者)はだれか ・対象家族はどこまでか ・要介護状態とはどういうことか
 また、その要介護の状態は短期的でなく、一定期間継続すると認められるものでなければなりませんし、労働者が自ら実際に介護し、そのために休業をするということでなければなりません。

■ 介護休業ができる人はだれか +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
 雇用されている労働者で、要介護状態にある対象家族を介護する者は、男女の別なく対象です。役職者であっても対象となります。
 日々雇用されている人、短い雇用期間で雇われている人などは対象となりません。

■ 対象家族はどこまでか +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
 介護が必要というと高齢者を思い浮かべる方が多いと思います。
 対象家族は以下であって年齢の制限はありません。
  (1)配偶者   (2)父母  (3)子 (4)配偶者の父母
  (5)同居し、かつ、扶養している祖父母・兄弟姉妹・孫
 (1)から(4)は同居が要件ではありません。(5)は同居しかつ扶養している場合に対象となります。

■ 要介護状態とは  +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
 要介護状態とは、負傷、疾病、心身の障害のために2週間以上にわたって常時介護を必要とする状態です。短期の傷病の介護は対象としていません。
 常時介護を必要とするかどうかについては歩行、排泄、食事などの介助の必要性や、火の取り扱いができるかなどの判断基準があり(通達が出ています)、その状態が2週間以上続くことが要件とされています。

■ 休業期間・日数 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
 介護休業の期間は、対象家族1人につき、要介護状態ごとに原則1回、93日までです。
 介護休業と介護短時間勤務を利用した場合は、合わせて93日です。
 介護短時間勤務とは介護休業に準じて定めなければならない労働時間の短縮の措置のことです。「介護のために短時間勤務をしたい」と申し出があった場合、労働時間を1日6時間程度にしなければなりません。

■ 常時介護が必要なら2週間前までに申し出を+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
 従業員が子の介護のために、休業あるいは短時間勤務を申出た場合、介護休業・介護短時間勤務に該当する可能性はあります。
 不登校になった子が、2週間以上の常時介護が必要な状態だからと、短時間勤務を希望するのであれば、介護短時間勤務開始予定日から介護短時間勤務終了予定日までを申出書に書いて、開始予定日の2週間前までに提出してもらいましょう。
 数ヶ月前には元気に登校していたお子さんが、介護短時間勤務の要件である常時介護状態にあるでしょうか。会社は、対象家族が要介護状態にあることなどを証明する書類の提出を求めることができます。
 今回のケースでは、数日間の年次有給休暇を申請してもらうことが先にすべきことでしょう。
 年休中に子どもの心理についてプロのアドバイスを受けるよう、話をしてみてはいかがでしょう。

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 介護休業は育児休業ほど広まってはいません。
 今後多くの会社で申し出が出ることが予想されますが、介護という先の見込みがたてにくい事柄なので、取り扱いに苦慮しますね。 
      
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社労士法人アイビーウィル
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