お知らせ
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作成日:2014/03/01
★ 年金はもらえるの? ★



 「年金はもらえるんですか?」

 ある会社で、社会保険の仕組みについて話をしていたとき、20代の男性から、
こんな質問がありました。

 「もらえるとは思います。ただ、年金額は期待できる額ではなく、もらえる
年齢も70歳くらいになっているかもしれません。」



■ 重要ポイント───────────────────────────

 年金はもらえるけれど、制度は変わりつつあります。


■ 2060年の人口構成──────────────────────────

 20歳になろうとする若者が65歳(今の老齢基礎年金がもらえる年齢)になる、
今から46年後が2060年です。

 平均寿命は今男性79.64歳が84.19歳に、女性86.39歳が90.93歳になると予想
されています。

 総人口は現在1億2800万人ですが、その頃になると8600万人に減り、そのう
ち、60歳以上の高齢者が46%をしめるようになると推計されています。日本は、
世界に例のない、少子高齢社会になっているのです。

 15歳から59歳の労働力人口は現在70%ですが、2060年には38%に減るのです。


■ 今の水準で厚生年金額を出してみると─────────────────

 年収400万円が40年のサラリーマン人生の平均的な金額だったと仮定して、
老齢厚生年金がいくらもらえるか試算してみましょう。

 400万円としたのは国税庁の平成24年(2012年)民間給与実態調査の平均給
与データが408万円だからです。


■ 老齢厚生年金の計算─────────────────────────

 賞与を含めた年収を12で割って平均標準報酬額(平均標準報酬月額ではな
い)を出し、年齢により国が定めた乗率を掛け、厚生年金に加入していた月数
を掛けると老齢厚生年金額が計算できます。

 400万円÷12×5.481÷1000×480ですので、約87万円になります。
(物価変動なし、400万円が40年間の平均年収という大胆な仮定です。)

 5.481という数字は生年月日に応じて定められた年金額計算の率で、この数
字は昭和21年(1946年)4月2日以降生まれの人すべてに適用されるものです。
この昭和21年4月2日より前に生まれた人は1年ごとに年齢に応じ少しずつ高い
乗率が決められています。


■ 老齢基礎年金の額は─────────────────────────

 老齢基礎年金は平成16年(2004年)の法改正で、780,900円と決まりました。
 その後は賃金と物価の変動に応じて毎年、自動的に年金改定率をかけて改定
されることになりました。年金改定率は1を下回っていて、約76万円です。

この若者がこの仮定の下に65歳になると、87万円の老齢厚生年金と76万円の老
齢基礎年金がもらえることになります。


■ いったいいくら掛けるのか──────────────────────

 ではいったい保険料はどのくらい払うのでしょうか。

 厚生年金の保険料率は現在17.12%ですが、平成29年(2017年)18.3%まで
上がることが決まっています。平成16年(2004年)の年金改正時点では、最終
保険料率は18.3%(本人9.15%、事業主9.15%)と決められました。

 最終保険料率で、この若者が払う厚生年金保険料を試算してみましょう。
 400万円×9.15÷100×40=1464万円

 本人は40年でこの保険料を負担、同額を事業主が負担します。65歳になって
もらえる老齢厚生年金額は87万円(年額)です。

 たったこれだけ?ですけれども、65歳から先男性は20年、女性は25年長生き
するという推計値を考えると、国の財政は苦しいだろうことも想像できます。


■ 60歳台前半の年金はいずれなくなる──────────────────

 今年度、平成25年(2014年)の4月から、男性は60歳になっても1円も年金が
受給できなくなりました。

60歳台前半の年金は特別に支給するもので、本来は65歳からとされているので
すが、少しずつ受給開始年齢を引き上げる、大きな節目の時期を迎えたのです。

60歳で年金がもらえないという男性の生年月日は昭和28年(1953年)4月2日以
降生まれです。この年齢の男性は61歳になるまで1年間年金がもらえませんが、
昭和30年(1955年)4月2日以降生まれの男性は62歳になるまで年金がもらえま
せん。生年月日に応じ、受給開始年齢が上がるしくみなのです。

男女ともに65歳までまったく年金はもらえなくなるという形がゴールです。特
別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢は男女で差がありますが、平等に65歳に
なります。


■ 65歳支給は維持できるか───────────────────────

 では現在の65歳支給はこのまま維持できるでしょうか。

 日本の65歳以上の人口割合は現在23%程度ですが、2020年をすぎると30%と
なり、2060年には39%となります。

 2060年65歳以上の人口割合は、イギリスが25%、ドイツ30%の予想ですが、
年金支給開始年齢はすでにイギリス68歳、ドイツ67歳となっています。

 平均寿命はイギリス男性77.4歳、女性81.6歳、ドイツ男性77.1歳、女性82.4
歳ですから両国に比べ、男性で2歳以上、女性で4歳程寿命の長い日本で、年金
支給開始年齢が65歳と早いのです。

 主要国に類がないほどに高齢者ばかりとなる日本、平均寿命は世界最高水準
で、年金開始年齢は主要国より早いという現行の制度、このまま続けられるか
は大きな疑問です。


■ 遺族年金はどうなるか・・・男女差解消へ───────────────

 年金制度では男性より女性が優遇されるのが当たり前、古い制度を引きずっ
ているからと思っていましたが、遺族基礎年金の支給要件の男女差が解消され
ようとしています。(平成26年4月から)

 遺族基礎年金が、父子家庭に支給されるようになります。

 国民年金に加入していた配偶者が亡くなったとき、現行では子のある妻又は
子に遺族基礎年金が支給されますが、改正後は国民年金に加入していた配偶者
(妻)が亡くなった場合に、子のある夫にも遺族基礎年金が支給されるように
なるのです。

 保険料負担をしていなかった国民年金の第3号の被保険者であった妻が亡く
なった場合でも、生計を同じくしていて年収850万円以上の収入を将来にわた
って有しないのであれば、子のある夫に遺族年金が支給されるようになります。


■ 年金はもらえるか───────────────────────────

 ハイもらえます。けれども、保険料負担は増し、給付額は少なく、支給開始
年齢も繰り上がるでしょう。遺族年金も大きく変わって(もしかして無くな
る?)いくでしょう。
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