お知らせ
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作成日:2014/02/01
★ 休職制度はありますか? ★



  「スミマセン、スキーで骨折してしまって・・・」

 こんな事情で2か月ほど会社を休まなければならなくなった従業員がいたら、
会社の休職規定に沿って、休みをとってもらい、また復職して頑張ってもらえ
ばよいでしょう。
 ケガであれば復帰の時期も見込みがたちます。

 ところが、うつ病などの心の病気のために会社を休むようになった場合、ケ
ガなどとは違った対応が求められます。

 心の病はここ10年で相当増加し、高止まりの状態です。御社は対策が採られ
ていますか。


■ 重要ポイント───────────────────────────

 精神疾患で十分な仕事ができなくなる社員を想定した休職規定を整備し
ておきましょう。


■ 休職とは ──────────────────────────

 休職とは、私傷病やその他の事情によって、労働者が働くことができなくな
ったときに、雇用関係はそのままで、労働義務を免除または拒否することをい
います。

 労働者は働く義務がありますが、 休職制度がきちんとあれば、その期間に
ついては辞めさせられるという心配なく、休むことができます。

 休職制度は法律上義務づけられているものではありません。
 また、どのような内容にしようとも会社の自由です。


■ 正社員就業規則にはある休職制度──────────────────

 多くの会社の正社員の就業規則には休職の規定があります。

それは、長期の雇用を約束した正社員について、数十年働く間には、大きなケガ
や病気をすることもあるだろう、そんなときに一定の期間は雇用を保証するか
ら、安心して療養できるようにという意図だと考えられます。


■ 休職の種類─────────────────────────

 私傷病で勤務できないという事由のほか、他社に出向したときも休職扱いと
する規定をよくみかけます。

 また、公職に就任した場合にその就任の期間を休職と認めている会社もあ
ます。

 業務上の事故でケガをしたり病気になったりして、一定期間勤務できない状
態になることも起こり得ますが、業務上の傷病については労働基準法の休業補
償の規定によることとし、私傷病の休職とは区別します。


■ 休職制度の適用者──────────────────────

 もともと休職制度は長期雇用を前提とした制度ですから、パートタイ
マーの就業規則に休職制度が設けられていることはあまりありません。

 また、正社員であってもまだ試用期間中の者や、勤続1年未満の者について
休職制度の対象としないとすることも可能です。適用範囲をきちんと定めて
おきましょう。


■ 休職期間──────────────────────────

  勤続年数により休職期間に差を設けることには理由があるといえます。

  3年勤続の人と、10年勤続の人では、会社に対する貢献度は異なります。

  勤続年数により休職期間に差を設けるべきではないでしょうか。

  休職期間は無給で構いませんが、社会保険料の負担が労使ともにありま
す。
  会社の規模や体力に応じ、慎重に休職期間を定めておきましょう。


■ 休職はいつからとするのか ───────────────────

  ケガの場合と違い、精神疾患の場合は、出勤と欠勤を繰り返したり、出
勤しても通常の業務ができないようだったりすることが考えられます。

 「業務外の傷病により、2週間以上通常の労務提供ができず、その回復
に一定の期間を要するとき、会社は休職を命ずることがある。」のような精神
疾患を想定した規定が必要です。


■ 休職期間中の給与──────────────────────

  休職期間はノーワークノーペイの原則で、無給となります。

  休職期間中は労働義務がないのですから、休職を命じられた労働者は年
次有給休暇を請求することはできません。


■ 休職期間中の報告義務、療養専念義務─────────────

  休職は療養のための期間ですから、療養に専念することと、1か月に1回
は日常生活の様子や回復の程度を会社に報告するよう求めるべきでしょう。


■ 復職の手続き────────────────────────

  病状が回復し復職を申し出る場合には、医師の治癒証明を提出しなけれ
ばならないと規定しておきましょう。


■ 復職可能とする治癒の定義──────────────────

  発病前に従事していた業務は無理だが、軽作業は可能という診断書が出
されたとき会社は復職を認めるべきでしょうか。

  会社規定では治癒を「従来の業務を健康時と同様に行える程度に回復す
ること」としておくべきでしょう。


■ 復職可否の判断方法────────────────────────

 主治医は患者との信頼関係を維持し、治療と健康を第一に考える立場です。
主治医の診断書(治癒証明)のみを判断材料とせず、会社が指定する医師への
診断を求め総合的に判断すべきです。

 復職にあたっては会社が指定する医師の診断を受けなければならないと規定し
ておきます。慎重に復職の可否を判断することになります。


■ 再発した場合の取り扱い──────────────────────

  復職後に再発して通常の業務ができなくなった場合には、再び休職とな
りますが、その場合、休職期間は復職前の休職期間の残期間とすると定めてお
くのがよいでしょう。


■ 休職期間満了時に復職できなかった場合の取扱い────────────

  休職期間は、解雇を先延ばしにして回復を待つという期間ですが、その
間に復職できなかった場合は、「休職期間満了による退職」(解雇ではない)
となります。


■ 規定の整備のほかに─────────────────────────

 このような内容を織り込んだ休職規定の整備のほか、きめ細かく状況に応じ
て「休職取扱通知」「休職期間満了通知」など書面通知し確認することも必要です。
お問合せ
社労士法人アイビーウィル
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新潟県新潟市中央区神道寺南2-7-43
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FAX:025-385-7579