お知らせ
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作成日:2013/10/01
★ 何歳までどう雇う? ★



 大和証券グループが営業職を70歳まで継続雇用すると発表しました。
(9月27日)

「今回の改訂は、豊富な経験を活かし、能力をより発揮して活躍し続けてもら
うことを目的としております。また、社員のキャリアの選択肢が広がり、ライ
フプランに応じてより長く働き続けることができるようになります。」と会社。

 70歳まで雇用延長するケースは珍しいことです。

 証券業界では今後、個人向けの営業活動を活発化する必要があることも、70歳
まで雇用継続するに至った背景にあるようです。


■ 重要ポイント +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+


 定年60歳、その後1年雇用で65歳までという制度が定着しつつあります。

 多くの企業は60歳後、賃金を下げざるを得ない中で、イキイキ働いていただく
にはどうすればいいのか、模索が始まっています。


■ 60歳超雇用の課題 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-


 高年齢者を雇用し続ける課題についてたずねた調査によると「職務配分(=高
年齢者にどのような仕事をしてもらうか)」が最も多く、60.9%でした。

 次いで、「職場配置」46.7%、「高年齢者のモラール維持」41.2%、「人件費の増
加」38.3%、「若年層の雇用やモラールへの影響」38.0%となっています。


(産労総合研究所「中高齢層の賃金・処遇に関する調査」2013年5−6月実施)


 どのような仕事をヤル気を下げないでしてもらうかが、高齢者を雇用する大き
な課題となっているようです。


■ 定年60歳が9割以上+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-


 4月から改正高年齢法が施行されていますが、大多数の企業は、定年年齢を
「全員一律」に「60歳」としています。(93.2%)

 雇用形態では、87.5%の企業で「嘱託・契約社員」となっています。(前掲
調査)


■ 賃金決定は個人ごと+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-


 60歳代前半層の賃金の決め方としては、「個人ごとに異なる」34.7%、「一
律に定年時賃金の一定率を減額」28.8%、また「一律定額制」18.6%となって
います。

 また、「仕事内容」52.6%、「役割」40.9%、「能力」38.7%によって賃金
を決めています。
 (前掲調査)


■ 公的給付を前提とするか+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-


 昨年度までは60歳代前半層に、在職老齢年金と高年齢雇用継続給付金が支給
されていました。60歳になって賃金が下がっても、年金と給付金がもらえるの
で、それを考慮してお得な額に賃金を定めるという企業が多くありました。

 2010年、在職老齢年金と高年齢雇用継続給付金の併給を前提として賃金を決
定していた企業は40.8%でしたが、今回2013年の調査では35.4%に減っていま
す。

 逆に、公的給付の受給は前提とせず独自に設定という企業は2010年の38.4%
から、44.5%に増えています。(前掲調査)

 老齢厚生年金の報酬比例部分の引き上げがはじまっている影響といえます。


■ 人事評価の有無+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-


 60歳代前半層について「人事評価を行っている」企業は53.3%です。

 「業務達成度の評価」「取組み姿勢・情意評価」「能力評価」などがその評
価内容で、評価結果の反映としては、「賞与・一時金に反映」が6割で、「月
例賃金に反映」が4割(複数回答)です。

 企業規模別で見ると大企業ほど評価の実施状況が高くなっています

 小規模企業では60歳超の社員が業績を上げたとしても賃金を変えないので、
人事評価も行わないが、大企業ではきちんと評価し、処遇に反映させているの
でしょう。

(この調査は産労総合研究所の会員、全国1・2部上場企業等のうち回答のあっ
た3,500社が対象です)


■ 60歳超の社員の本音+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-


 60歳を過ぎて継続雇用されて働く社員とのヒアリングにより、思いや本音を
分析したある会社では、「社員と扱いが違う」「認められていない」「役に立
っている実感が欲しい」という結果であったといいます。

 その会社では、正社員の時にはアクセスできた社内データにアクセスできな
くなったり、会議メンバーからはずされたり、評価シートが変わったりなどと
いうことがあり、細かな違いに直面して、不満をもったり、淋しい思いをした
りしている継続雇用者がいることがわかったそうです。


■ 定年を65歳に延長、60歳で賃金見直し+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

 イキイキと高齢者に働いてもらおうという会社の取り組み事例をご紹介しま
す。

 サントリーホールディングズは4月から65歳定年制を実施しました。

 シニア層にイキイキ働いてもらいたいという狙いです。

 サントリーの場合、60歳以前の処遇体系は変更しないものの、60歳以降は60
歳時点の資格に基づき新資格に移行するという制度です。定年延長とはいえ、
60歳以降の年収水準は60歳時点の6〜7割程度になるといいます。ただ、福利厚
生制度は60歳以前を継続します。

 65歳まで正社員としての雇用ですが、人事考課により処遇の変動を取り入れ
て、正社員なので転勤もあります。

 会社としては、定年延長で社員の生活の安定を保証しながら、シニア層の活
躍を期待、より業績の向上を目指しています。


■ セカンドライフ支援制度+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-


 東京ガス株式会社では、50歳から「セカンドライフ支援」を行うことで、シ
ニア層の多様な働き方をバックアップしています。

 50歳時点のセミナーでは、キャリアを振り返っていただき、50歳代からの活
力ある働き方を考える研修を行います。集合研修と面接を実施、これからのラ
イフプランを立ててもらい、その後定期的にフォロー面接もします。

 55歳でセカンドライフ支援セミナーを行います。退職手当や公的年金につい
ての説明をし、雇用に関する情報を提供します。これからのライフプランとマ
ネープラン、生涯を通じたライフ&キャリアプランをたてるセミナー内容です。

 さらに定年で退職する社員には3カ月前に、社会保険や諸手続きについての
セミナーを開催します。配偶者の同伴も可能なセミナーにしていると聞きまし
た。

■ まとめ +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 60歳を過ぎた社員にどうイキイキと働いてもらうか、取り組みは始まったば
かりです。


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