お知らせ
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作成日:2013/04/29
★ 定年退職で保険証は? ★



 65歳までの雇用が求められているとはいえ、60歳定年で退職を考えている方もいらっしゃるでしょう。

 そんな方が心配なのが、保険証はどうなるの?失業給付っていったいいくらもらえるの?ではないでしょうか。

 今回は60歳定年で退職する方の社会保険について考えます。


■ 重要ポイント +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
 
 定年退職する人が受けられる 健康保険の制度や失業給付について正しく理解し、きちんと退職者に伝えましょう。



■ 退職後、健康保険証はどうなる?+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 退職して保険証(健康保険被保険者証)を会社に返してしまったあと、不安になるのが「病気になったら、どうしよう?」

 退職後の医療保険は3通りの選択肢があります。


■ その1 退職後は国民健康保険に加入する+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

 健康保険に任意加入する方、被扶養者になることができる方以外は、原則として国民健康保険の被保険者になります。退職後、住所地の市町村役場で手続きをします。

 会社は いつ資格を喪失したかを「被保険者資格喪失連絡票」に記載して、退職者に渡します。退職者はその「連絡票」を持っていって、市町村役場で手続きをします。

 市町村役場は「連絡票」で退職日を確認し、国民健康保険の被保険者証を発行します。離職票(職安の手続書類)でも退職日はわかりますが、離職票では扶養家族がいるかどうかを確認できません。役所の担当者は、「連絡票」で退職日と扶養家族の状況を確認して、国民健康保険被保険者証を発行します。

 国民健康保険は世帯が単位です。保険料の納付義務者は世帯主です。

 国民健康保険の保険料は世帯単位でかかり、市町村により異なります。保険料の算出方法は複雑です。新潟市の場合、所得割(前年の所得に率をかけて算出する)、均等割(1人あたり)、平等割(1世帯あたり)の合計額で年額が決定され、月割りで納付します。

 
■ その2 任意継続被保険者になる+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 被保険者期間が継続して2カ月以上ある人は、引き続き2年間は健康保険に個人で加入することができます。

 保険料は全額(今までは半額会社負担)を自分で負担しますが、保険給付は在職中と同じです。ただし、傷病手当金は支給されません。健康保険料、介護保険料ともに今まで給料から引かれていた金額の2倍となりますが、標準報酬月額の上限は28万円(28万円以上の報酬の方は28万円に相応する保険料になる)なので、国民健康保険に加入するより有利な場合があります。

 一般的には被扶養者になれる方以外は、少なくとも1年間は任意継続が有利なようです。住所地の市町村で国民健康保険料を確認の上、決めるのがよいでしょう。

 気をつけなければならないのは、申請期限があるということです。退職日の翌日から20日以内に、住所地の協会けんぽに任意継続の申請をします。被扶養者がいる場合は、今まで同様、健康保険に入ることができます。


■ その3 被扶養者になる+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 定年退職者の場合、被扶養者又は被扶養配偶者となれる場合が考えられます。

 社会保険に加入している息子や配偶者の収入で生活するという場合です。
 
 同居の場合は被扶養者の年収が130万円未満(60歳以上又は障害者は180万円未満)で、被保険者の年収の半分未満であることが要件です。

 息子から仕送りを受けて生計をたてていれば、同居していなくても被扶養者になれる場合があります。別居の場合は、被扶養者の年収が130万円未満(60歳以上又は障害者は180万円未満)で被保険者からの仕送り額(援助額)より少ないことが要件です。

 年収には給与だけでなく年金や失業給付などすべての収入が含まれます。


■ 失業給付(基本手当)と年金は+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

 特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の失業給付を同時に受けることはできません。
 ただし、平成25年4月2日以60歳に達する男性は61歳になるまで、年金が支給されません。

 これまで、60歳で定年退職後、失業給付をもらうとその間、年金はもらえませんでした。
 今後は、年金がもらえない間に失業給付をもらうことになり、年金がソンすることはありません。(同年齢の女性については年金がもらえるので当てはまりません)


■ 失業給付(基本手当)はいくら+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

 失業給付の日数は被保険者であった期間によって決まっています。定年まで20年以上勤務し続けたとしても、給付日数は150日です。150日が限度です。

 1日いくらもらえるかですが、退職前6カ月の賃金の合計額(残業手当、通勤手当は服務が、賞与は含まない)を、180で割った金額(賃金日額)の45%〜80%相当額です。賃金の高い方については上限額があります。

 離職時の年齢が60歳以上65歳未満の場合、失業の状態にある日1日あたりの基本手当の上限額は6,759円です。(毎年8月1日に改定されます)

 自己都合退職だと給付制限期間が3カ月ありますが、定年退職では制限期間はなく、早く失業給付がもらえます。


■ 雇用保険の受給手続きは延長できる+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-


 60歳で定年退職のあと、しばらく休みたい、一定期間働きたくないという方もいらっしゃるでしょう。そんなときは、最大2年間、受給資格期間を延長することができます。

 離職の日の翌日から2カ月以内に職安に申し出をすることによって延長が可能です。


■ 再就職すると雇用継続給付金がもらえることも+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 60歳になって同じ会社に継続して雇用され、賃金が75%未満になった場合、「高年齢雇用継続基本給付金」が支給されることはご存知の方が多いと思います。
 60歳過ぎて転職して賃金が下がった場合、「高年齢再就職給付金」がもらえる場合があります。
 被保険者であった期間が5年以上あって、60歳以降基本手当(失業給付)を受給し、その残日数を100日以上残して安定した就職をした場合で、75%未満で就労している場合に受給できます。長い間雇用保険をかけ続けてきたのですから、もらい忘れのないようにしましょう。


■ まとめ+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-++-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 勤めていると、社会保険の手続きから税金のことまで 会社がすべてやってくれます。

 退職に際し、健康保険や雇用保険、また年金についても知識がなく、不安に思っている方も少なくないのではないでしょうか。

 弊所では、定年退職の方の社会保険の手続きや受けられる保障について、わかりやすく説明、アドバイスをいたします。お問い合わせください。

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社労士法人アイビーウィル
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