作成日:2013/04/15
★ 36協定は届出が重要! ★
年度末に、「時間外・休日労働に関する協定届(36協定といわれる)」を結び、届出をして新年度を迎えたという会社も多いのではないでしょうか。
この届出、うっかり忘れているということのないようにいたしましょう!
36協定は届出が重要です。
■ 重要ポイント +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
36協定届は、監督署が受付けてから効果が発生するので、期間の始まる前に届出をしなければなりません。
■ 労働時間の原則と例外 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
労働基準法では労働時間について原則と例外を定めています。
「週40時間を超えて労働させてはならない」これが法定の労働時間、労働時間の大原則です。
40時間を超えて働いてもらいたいのであれば、使用者は「労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出」なければなりません。
時間外労働を命じるには労働者の代表と協定を結んだだけではダメ、労働基準監督署に届出をしなければなりません。
届出を忘れていると、残業をしてもらうことができません。
■ 就業規則は届出より周知のほうが重要 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
監督署への届出が大事なものに、「就業規則」があります。
常時10人以上の労働者がいる場合、就業規則を作成し、監督署に届出をしなければなりません。就業規則を変更したときも同じく届出をしなければなりません。
届出に当たっては、過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、ない場合には、労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません。
届出をするときに、労働者代表の意見書を添えます。
届出が義務付けられている就業規則ですが、届出をしていないからといって、その就業規則に効力がないということにはなりません。就業規則は作成して従業員に内容をきちんと伝えていることが重要です。
36協定は届出をして効力が発生しますが、就業規則は、届出をしていなくても周知を図っていれば、効力が生じます。
■ 残業命令は二つの要件 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
36協定を結び監督署に届出をすることは、合法的に残業命令するために欠かせないことですが、もうひとつしておかなければならないことがあります。
それは、雇用契約書や労働条件通知書で、「時間外労働がある」旨通知しておくことです。
■ 労働者が増えたら36協定は出し直しか+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
36協定には業務の種類ごとに対象者の人数を書きますが、協定締結後に採用した人に、時間外労働をしてもらうことはできるでしょうか。
労働者の数が、通常想定される範囲内で変動したのであれば、変更のつど協定を締結する必要はなく、時間外労働を命じることができます。
ただし、業務拡大などで、届出をした36協定にない新たな業務に就いてもらう場合は、別途36協定を結び、届出をしなければなりません。
■ 自動更新は認められるのか+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
36協定は、いつからいつまでと有効期間を定めなければなりません。
時間外・休日労働協定は定期的に見直しを行う必要があると考えられ、有効期間は最長でも1年間です。毎年届けなければならないものです。
「去年と同じ内容で出せばよい」ではなく「ムダな残業がないか、必要な残業はどの業務でどのくらいか」を労使でよく話し合って決定し届出をしたいものです。
■ 36協定は労働者が一人でも+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
就業規則は10人に満たない小さな事業所では労基法の届出義務はありません。
36協定も小さな事業所だからとうっかり届け出忘れはないでしょうか。
時間外労働を合法的に命じるには36協定の締結、届出は必須のことです。法定労働時間を超える労働を命じるのであれば、従業員が一人でも36協定を結ばなければなりません。
この場合、選出方法については「ひとりのため」になります。
■ まとめ +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
労基法36条では、時間外労働・休日労働協定を労使間で締結し、所轄労働基準監督署に届け出ることにより、法定労働時間を超える時間外労働と法定休日労働を認めています。
労基法36条に定めがあることから36協定といわれます。
36協定の締結、届出がなければ、残業を拒否されても、責任を追及することはできません。