作成日:2012/09/18
★ 産休の保険料が免除になる★
出産後も育児休業をとって職場復帰する人が増えています。
そんな人に有利な法改正がありました。
まずは、本日の結論から ★多忙な方はここをチェック★★↓↓
■ 重要ポイント+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
現在、産前産後の期間については、健康保険から出産手当金というお金が支給されてはいますが、その間、社会保険料は負担しなければなりません。
2年以内に、この、社会保険料の負担が免除されるようになります。
■ 出産手当金とは+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
社会保険に入っていてお得なことのひとつが出産手当金の制度です。
社会保険の被保険者が、出産のため仕事を休み、給料を受けられないときに支給されます。
支給期間は出産日(出産予定日より遅れた場合は予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から、出産日後56日までの間です。
支給額は欠勤1日につき、標準報酬日額の3分の2です。
標準報酬日額とは、標準報酬月額の30分の1です。
■ 出産手当金のおよその額+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
会社の所定休日は出産手当金の支給対象となる日に含まれます。
もともと休日で働く義務のない日についても出産手当金は支給されます。
産前産後約3カ月の休みに対し、1日ごとに3分の2金額の所得保障があるのです。
3カ月の休みで、2カ月の給与が出産手当金としてもらえるというイメージになります。
■ 出産手当金が支払われる時期+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
出産手当金は、産後の賃金締切日を過ぎて、事業主が就労の状況を確認し、それに対する賃金の支払いの有無を計算、証明してもらえないと、請求できません。
請求後、本人指定の口座に振り込まれるという方法で出産手当金は受給できますが、産前の休みに入ったときから数えると、5カ月ほどかかってしまいます。
(出産手当金の申請期間は産休の開始から2年以内です)
■ 社会保険料でマイナスの給与明細+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
仮に30万円の標準報酬月額の人が、9月1日から産前の休みに入ったとします。(末日締めの会社)。9月分の給与はゼロで、社会保険料は約4万円。マイナス4万円の給与明細です。
会社は社会保険料を翌月末日(この場合は10月31日)に会社負担分とあわせ納付しなければならないので、それまでに本人負担分をもらうか、立替をしなければなりません。
■ 育児休業期間中は社会保険料が免除+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
現在の制度では、産後が終わり、育児休業期間にはいると保険料が免除されます。
育児休業期間中の保険料免除とは、厚生年金保険料と健康保険料が本人負担分・会社負担分ともに支払いが免除されるということです。
免除される期間も被保険者資格は継続するため、健康保険の給付は通常と同じように受けられます。また、厚生年金保険についても、保険料を納付していたものとして取り扱われるので、将来受け取る年金額にも反映されます。
女性は産後休業終了日の翌日から育児休業開始となり、その日の属する月から保険料が免除となります。一方、男性は出産日の翌日から、育児休業を取ることができます。
育児休業期間中は社会保険料が免除され、雇用保険から育児休業給付金(休業前賃金のおよそ半分の金額)が支給されます。
■ いつから改正?+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
給与明細が約3カ月マイナスになるという現状が解消される今回の改正は、「次世代育成」という観点からのものですが、もっと早くても良かったと思えるものです。
産休期間中の保険料免除の施行日は、2年を超えない範囲内で政令で定める日となっていて、まだ確定はしていません。 施行が待たれます。
また、国民年金の第1号被保険者(自営業や自営業の妻が加入)に対する産前産後の期間の国民年金保険料の免除措置が検討(改定ではない)されていますが、社会保険加入者とのバランスを考えても、当然免除されるべきでしょう。
■ 関連した改定+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
産前産後あるいは育児休業後に職場復帰した従業員は、短時間勤務に変更したり、勤務日数を変更したりで、給与が減額となることがあっても、現行の社会保険の制度は、保険料の減額が伴いません。
以下の改定も決定しました。
産前産後休業終了後に育児等を理由に報酬が低下した場合に、定時決定まで保険料負担が改定前のものとならないよう、産前産後休業終了後の3カ月間の報酬月額を基に、標準報酬月額を改定する。育児休業終了後についても同様の措置をとる。
■ まとめ +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
細かな改正があった年金保険法。
変更の時期や経過措置に気をつけて事務対応を心がけましょう。
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