非正規労働者は増えています。
非正規の労働者の割合は過去最高の35.2%。
男女別では男性19.9%、女性54.7%。
(平成23年の数字。総務省「労働力調査」)
国は助成金という形で、正社員化をバックアップしています。
まずは、本日の結論から ★多忙な方はここをチェック★★↓↓
■ 重要ポイント +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
パートを正社員にする、短時間正社員制度を作る・・・
働き方に柔軟に対応し、長く働けるような制度を作った会社は、さまざまな助成金がもらえます。
■ 健康診断制度の助成金40万円 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
K社は事務部門の業務が増えたため、A子さん(25歳)を1日5時間、土日休みの週5日で雇い入れました。A子さんは、体調を崩して前の会社を退職していました。
週の所定労働時間が25時間なので、社会保険には加入せず、雇用保険には加入します。
◎ 正社員と同様の定期健康診断をA子さんにも受けてもらったら、健康診断制度の奨励金(40万
円)がもらえる可能性があります。
法的な健康診断実施義務がない労働時間25時間の人に、正社員との均衡待遇を図ったとされるからです。ただし最近の助成金の改正で、A子さん1人に健康診断を実施しただけではもらえず、延べ4人以上のパートタイム労働者又は有期契約労働者に健康診断を行わなければならなくなっています。
この奨励金をもらうには、就業規則に「週の所定労働時間が30時間未満のパートタイマーにも健康診断を実施する」と明文化する必要があります。
■ 正社員転換制度の奨励金40万円 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
1年後、A子さんは職場にも慣れ、健康状態も回復してきました。事務部門で退職者が出たこともあり、会社は正社員になる気はないか打診したところ、大喜びで「是非」とのこと。
パートタイマー就業規則に、「正社員への転換制度がある」こと、「会社が求める試験に合格した場合に正社員に転換する」と定めます。
電話応対実技、一般常識のテスト、作文審査を経てA子さんはパートタイマーから正社員へ。
◎ 正社員として勤務し6カ月たてば、会社は正社員転換制度の奨励金(40万円)が申請できます。
■ 代替要員確保コース15万円 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
「社長、結婚式に出ていただけませんか」
正社員になって1年、大事な事務もこなすようになったA子さんはその後結婚、出産。もちろん退職の希望はありません。
「産後も少し育児休業をいただいてまた復帰させてください」
会社は了解し、その間は派遣労働者を雇うことで対応しました。
◎ A子さんが育児休業を職場復帰して6カ月たてば、代替要員確保コース(15万円)が申請できま
す。
■ 継続就業支援コース40万円 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
育児休業をとった人はK社でははじめて。
育児休業についての研修会を開催。育児休業は女性のためのものではなく、男性も取得できる制度であると研修講師(社会保険労務士)から聞かされて驚きながらも納得していたK社社長、幹部。
A子さんは近所に住む実家のお母さんのサポートもあって、職場復帰後は以前にも増してまじめに働いてくれます。
◎ 職場復帰から1年たてば会社は継続就業支援コース(40万円)が申請できます。
■ 子育て期短時間勤務支援助成金70万円 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
A子さんの子どもが2歳になって、実家のお母さんが病気。
「社長申し訳ありませんが・・・」彼女は保育園の関係で短時間勤務をしたいと申し出てきました。育児短時間勤務の規定は整えていましたが、申請者ははじめてのこと。みんなの協力で申し出を受け入れようということになりました。
◎ 6カ月以上短時間勤務を利用すれば、会社は子育て期短時間勤務支援助成金(70万円)を申請
できます。
■ 短時間正社員制度の奨励金40万円 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
K社では、短時間の勤務であっても業務効率を考えた仕事をしてくれれば、何とかやっていけることに気づきました。育児や介護以のほか自己啓発や家族や本人の病気のために短時間勤務になる場合も、正社員として処遇しようと短時間正社員制度を作りました。
B男さんはある資格試験に挑戦していますが、業務多忙のため(?)なかなか合格できません。今度は制度を利用して3カ月は短時間正社員となり、絶対合格すると決めています。
◎ 会社は短時間正社員制度の奨励金(40万円)が申請できます。
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★ 助成金を知ることは国の施策を知ること。
助成金は毎年変わりますが、 賢くうまく利用しましょう。
★ 金額は小さな会社を前提としています。
重複した申請ができない助成金もあります。
★ 多くの助成金は規定の整備、届け出が必要です。
「しまった!知らなかった」ということになる前にご相談ください。