お知らせ
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作成日:2012/06/23
★ 介護施設の労務管理 ★



 休日の新聞の折り込み広告には、求人情報が入っています。

   「ホームヘルパー大募集!!」

   「介護支援専門員 急募」

   「正職員募集!!デイサービスセンター○○」

 など、介護関係職員の募集はいつでも載っています。

 厳しい雇用情勢が続く中にあって、介護業界は好況なのでしょうか。



 まずは、本日の結論から  ★多忙な方はここをチェック★★↓↓



■ 重要ポイント +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ 

 許認可事業である介護施設運営事業所にとって、労働関係の法令順守はきわめて重要。

 介護は身近な問題。
 介護労働者は、法令が守られている事業所で働きたいでしょう。

 介護を受ける利用者からしても、きちんと法令を守った労務管理ができている事業所から介護サービスを受けたいと思うのは当然のことです。

が、意外と違反率が高いのが現状です。


■ 介護サービスを受けるヒト増え続けている +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 すっかりおなじみになっている介護保険ですが、スタートは2000年4月でした。

 超高齢化が進む日本。2010年65歳以上の人口は2944万人で23.1%でした。
 2015年65歳以上の人口は3395万人で26.8%となります。
 さらに数字は伸びて、2025年になると65歳以上の人口は3657万人で30.3%の見込みです。  
 2025年には3人に1人が高齢者です。2040年まで高齢者は増え続ける見通しです。

 要介護認定者は高齢者増加に伴い増え続ける見込みで、介護業界の役割が大きくなっていくことは間違いありません。


■ 2012年4月に介護報酬改訂があった +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ 

 質の高いサービスを提供して、高い報酬をいただく・・・
 ビジネスでは当たり前のことですが、介護業界ではこうなりません。

 国が定めた介護報酬単価で売り上げが決まります。良いサービスを提供して、利用者からどんなに感謝されても、直接 高い収益にはつながりません。

 介護報酬改定は3年ごとに行われていますが、改訂のたびに報酬は下がる傾向にあり、今回の報酬改訂も、多くの介護事業所で厳しいものとなりました。


■ 労基法違反比率が高い福祉・介護施設 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 介護事業を含む社会福祉関係の事業は、全産業と比較して労働基準法等の違反の割合が高いことが指摘されています。社会福祉施設の違反事業場比率は77.50%で、 全産業の68.50%と比べて9%も高くなっています。(労働基準監督年報 平成20年)

 同調査で、割増賃金不払いでは、全産業が18.10%の違反比率に対し、社会福祉施設は35.80%の違反率と2倍の高さとなっています。最低賃金の違反も全産業で2.80%なのが4.70%です。

 24時間365日稼動の介護事業で、基本的な賃金や労働時間のキマリを守っていくことは難しいのであろうと推察されます。


■ 法令違反と介護施設 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 平成24年度地方労働行政運営方針では 介護労働者を 特定の労働分野における労働条件確保対策の推進 の中で取り上げています。

 「介護労働者については、介護事業者の指定について労働法規の違反を欠格事項とすること等を内容とする「改正介護保険法」が平成24年4月1日から施行されることを踏まえ、引き続き法定労働条件の履行確保を図るため、労働基準関係法令の適用について、介護事業の許可権限を有する都道府県等と連携して周知するとともに、計画的に監督指導を実施するなどにより労働基準関係法令の
遵守の徹底を図る。」

 小規模な介護事業者にも、許可権限を有する都道府県と連携して、労基署の調査が行われることを意味しています。

 介護事業は許認可事業であり、労基法違反が指摘されると、割増賃金の支払い等が求められるばかりではなく、事業そのものが取り消されることにもなりかねません。

 介護施設では労働法令の遵守がきわめて重要と考えられます。

 報酬単価が切り下げられる中で、きちんとした労務管理を行っているかどうかが、介護施設経営で 問われていくのではないでしょうか。


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